
Introduction
「健康と環境の工学」で、地球を救え。
先進国でも途上国でも、環境問題の重要性はますます高まっている。
今、この時代こそわれわれ環境工学の出番だ。
世界中に飛び出し、「生(いのち)を衛(まも)る工学」で地球を救おう。
「人間の健康」と「地球環境」を調和させる学問。
人類の利便性に偏重した開発を続けてきた代償として、社会の安全性や環境の持続可能性が大きく揺らいでいます。 革新的な環境浄化技術、省エネルギー技術、資源循環技術への社会的要請はこれまでになく高まっています。 また、人間の健康、健全な環境をどのように評価するのかについても、本コースが答えを出さなければなりません。
高い倫理観と豊かな創造性を持つ、グローバル人材を育成。
環境問題は複雑化と広域化を続けており、絵空事ではない循環型社会システムの構築と実践が急務となっています。 環境問題が内包する公共性は君たちの倫理観を、国境を超える多様な問題は君たちの国際性を否応なしに磨きます。 様々なスケールで問題を洞察し、国際的な舞台で推進力を発揮できる人材の育成を本コースでは目指しています。
カリキュラムの特徴
環境問題の主対象となる水・エネルギー・廃棄物・大気などの各論を学びます。
これだけ広い環境問題領域を横断的かつ体系的に学べる教育機関は、国内外を見渡しても北海道大学環境工学コースだけです。 各論の学習に先立ち、問題を工学的に取り扱うための道具となる基礎科目を厳選して2年次に開講しています。 3年次からは環境問題各論の講義が始まるとともに実験が必修科目となっています。 実験は、基礎分析手法の習得および環境問題各論で学んだ事象の体感を目的としています。 各種演習科目を充実させているのもカリキュラムの特徴となっています。 4年次の卒業研究では、環境問題を世界最先端の技術を応用して解決・解明するための研究手法を身に付けます。 プレゼンテーション能力、英語運用能力の重要性はわれわれの分野では特に高まっており、卒業研究ではこれらの能力向上を目的とした指導が行われます。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学、芸術、歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学、物理、化学、生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●環境工学序論 ●環境生理学 ●環境毒性学 ●微生物工学 ●環境統計学 ●分析化学 ●流体工学Ⅰ ●水文学 ●反応工学 ●計画数理学 ●数理計算演習 ●生物工学概論 ●工学基礎演習 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●上水工学 ●下水工学 ●熱工学Ⅰ・Ⅱ ●水環境保全工学 ●環境モデリング ●流体工学Ⅱ ●人間環境計画学 ●都市エネルギーシステム工学 ●気象学 ●大気保全工学 ●分離工学 ●環境リスク解析学 ●廃棄物管理工学 ●廃棄物処理工学 ●環境物理 ●環境工学実験Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ ●設計製図 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業論文 など
大学院工学院
空間性能システム専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●室内気候学特論 ●環境人間工学特論 ●建築環境特論 ●環境システム工学特論 ●環境エネルギー工学特論 ●空間性能システム特別演習(修士課程) ●空間性能システム特別研究(博士後期課程) など
環境創生工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●水環境施設工学特論 ●排水処理・再生工学特論 ●水・物質循環工学特論 ●環境微生物工学特論 ●水質化学特論 ●広域水環境工学特論 ●環境衛生学特論 ●廃棄物処理工学特論 ●廃棄物管理計画特論 ●リサイクルシステム特論 ●環境創生工学特別演習(修士課程) ●環境創生工学特別研究(博士後期課程) など
大学院生の声
幅広い視野で環境問題を考える
「環境問題」といってもさまざまな分野・種類があります。 特に現代社会には、「環境問題」と一括りにできないほど多くの課題が存在し、それらが複雑に絡み合って存在しています。 環境工学コースでは、環境問題を幅広い視野で捉え、各分野のプロフェッショナルである情熱溢れる先生方から学ぶことができます。 私は、卒業論文で廃棄物分野のテーマを扱いましたが、2・3年次で学んだ廃棄物分野以外の授業のおかげで、より一層深い学びが得られたと強く実感しています。

大学院工学院 環境創生工学専攻 修士課程1年 (愛知県立明和高等学校出身)
環境問題の解決に向けて一緒に学びませんか
私は環境問題に関心があり、それらを自分の手で解決したいと考え環境工学コースに進みました。 本コースでは水、廃棄物、エネルギーなど幅広く環境について学ぶことができます。 また、4年次からは興味のある分野について、環境問題解決のための研究ができます。 環境問題は私たちの健康や将来に密接に関わっており、その原因を作っているのは私たち人間です。 そこから目を背けることなく、環境問題解決に向けた学びをしてみませんか。

大学院工学院 環境創生工学専攻 修士課程2年 (北海道札幌月寒高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
「環境」という言葉が気になるあなたへ
私も「環境」という言葉がつい目に留まってしまう内の一人でした。 そこでこのコースで学ぶことを決め,現在は札幌市職員として水道水やその源となる河川水の水質検査等を行っています。 札幌市民を取り巻く水環境に関わる重要な仕事であり,学生時代に学んだことや研究等を通じて得た経験を活かしながら働いています。 「環境」と一言で言ってもその範囲は広く,それについて学ぶアプローチ方法も多々あります。 他コースや他学部で学ぶ方法もあると思います。 中でもこのコースの魅力の一つは,人の健康とともに身近な環境について勉強・研究できる点だと思います。 工学部というと物理をイメージするかもしれませんが,必ずしもそうではなく,広い分野について学ぶことができます。 私は物理をほとんど学んだことがない状態でこのコースに入りましたが,物理を学んでこなかったからと工学部を諦めないで良かったと心から思います。 皆さんもぜひ可能性を潰さずに自分の興味を深めてください。

札幌市水道局給水部水質管理センター
こんな人におすすめ
環境問題の解決へより直接的に貢献したい、関わる仕事に就きたいと希望している人に最適なコースです。 環境問題の研究では、広い分野の先端技術と知識を高度に統合する必要があります。 知的好奇心の旺盛な人、異分野横断研究を推進する行動力のある人を歓迎します。 行政他の立場で公共のために働きたいと願っている人。 国際的に活躍してみたいという夢を持っている人。 最先端の科学を応用した新技術を開発したいという熱意のある人。 異分野・異文化の人々と積極的に交わり、環境問題の解決に新しい道筋をつける意欲のある人。 新しい社会の枠組みを提案したいという「大志」を抱いている人。 きっと、われわれのコースで良い出会いが待っています。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
本コースにおいて学ぶ対象は幅広いため、卒業後の進路においても幅広い選択肢があります。 卒業生は、環境浄化技術を開発する技術者、環境施設・設備を計画・設計する技術者、国家公務員・地方公務員など環境行政の担い手、大学や研究所などの教育・研究職、その他さまざまな業種で環境問題を解決する技術者として活躍しています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■土木施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●アクセンチュア ●出光興産 ●NTTファシリティーズ ●大阪万博アフィリエイト ●オルガノ ●鹿島建設 ●川崎重工業 ●環境省 ●基礎地盤コンサルタンツ ●栗田工業 ●産業技術総合研究所 ●清水建設 ●JFEスチール ●神鋼環境ソリューション ●スカパーJSAT ●ダイキン工業 ●大成建設 ●ちとせ研究所 ●東京ガス ●東芝インフラシステムズ ●東邦ガス ●日鉄エンジニアリング ●日鉄ソリューションズ ●日水コン ●日本水工設計 ●日本製鉄 ●野村證券 ●野村総合研究所札幌開発センター ●パナソニックハウジングソリューションズ ●ブリヂストン ●ベイカレントコンサルティング ●北電総合設計 ●北海道ガス ●水ing ●三菱重工業 ●三菱重工環境・化学エンジニアリング ●三菱電機インフォメーションシステムズ ●三菱電機エンジニアリング ●メタウォーター ●メタルワン ●森トラスト ●ユー・エス・イー
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キーワード
(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)