社会基盤学コース

(「北海道大学工学部のすべて 2023-2024」より抜粋)

Introduction

理想の未来社会は,人と環境にやさしい。

社会基盤のプロジェクトに携わる社会基盤学。
人と自然環境が共生する社会を,国境を超えて実現させる。
フロンティアスピリットあふれる学問に挑戦しよう。

多岐にわたる領域をカバーする,社会基盤学。

社会基盤学がカバーする領域は,公共交通施設,公共防災施設,ライフライン,公共処理施設等, 21世紀においても持続的発展が可能な社会を実現するための社会基盤施設のパブリックデザイン, 防災・減災の技術,環境の保全・再生技術,資源の循環・再利用技術など多岐にわたります。

国境を超え,あるべき姿の地域・都市計画を研究する。

社会基盤学コースは,従来の土木工学科を社会情勢の変化に対応した教育プログラムへと一新するコース再編で誕生しました。 育成を目指すのは,国際的に通用する高度な専門知識とプロジェクトリーダーとなるためのコミュニケーション能力や意見調整能力を身に付けたエンジニアや研究者です。

カリキュラムの特徴

強靭な社会の形成に資する能力を涵養する。

将来も断続的に発生する地震,津波などの自然災害,将来予期される気候変動によって生じる洪水, 環境変化などの諸問題に対して,安全・安心の未来社会を形成するための予測,対策,リスク管理, インフラ技術開発など防災にかかわる教育を行います。土木工学に関する基礎学力のみならず, データ処理・数理手法などの先端的技術,国際的活動に従事するために必要な能力を身に付けます。

コース カリキュラム

1年次 (総合教育部)

【全学教育科目】
●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など

2年次

【学科共通科目・コース専門科目】
●応用数学I・II ●構造力学I・II ●水理学I・II ●土質力学I・II ●土木計画学 ●社会資本計画学 ●建設材料 ●コンピューティング演習 ●数値計算法演習 ●コンストラクションマネジメント ●技術者倫理学 ●Academic communication I・II など

3年次

【コース専門科目】
●地震工学 ●耐震工学 ●水防災工学 ●防災工学演習 ●測量学 ●環境フィールド学実習 ●橋梁工学 ●構造設計論 ●構造・コンクリート工学実験 ●土と水の穎境工学 ●道路交通工学 ●Academic communication III など

4年次

【コース専門科目】
●卒業論文 など

大学院工学院

環境フィールド工学専攻
【修士課程・博士後期課程】
●応用流体力学特論 ●水資源管理工学特論 ●環境コンクリート工学特論 ●地盤解析学特論 ●沿岸波動力学特論 ●土砂輸送特論 ●地盤動力学特論 ●地盤防災特論 ●環境フィールド工学特別演習(修士課程)●環境フィールド工学特別研究(博士後期課程) など
北方圏環境政策工学専攻
【修士課程・博士後期課程】
●地域交通政策特論 ●振動解析特論 ●弾性波動解析特論 ●建設マネジメント特論 ●計画数理学特論 ●北方圏粟境政策工学特別演習(修士課程) ●北方圏躁境政策工学特別研究(博士後期課程) など

学生の声

世界で活躍するリーダーになろう!

近年,地球温暖化によって世界各地で自然災害が増加しており,持続可能な開発の大きな障害となっています。 私たちの生活に不可欠なインフラに携わる士木工学には,災害に対する脆弱性を減らし,被害を軽減することが求められます。 社会基盤学コースでは,国内のみならず世界で起きた自然災害,水災害などを学習し,国際的な視点を持つことを目標の1つにしています。 将来,国際的に活躍してみたいと思う方は,ぜひ本コースを検討してみてください。

大内 晴貴
環境社会工学科 社会基盤学コース 4年(埼玉県立春日部高等学校出身)

大学院生の声

公共交通の改善に向けて

様々な分野がある土木の中で,私は交通計画に興味を持ちました。 公共交通機関は人々の暮らしを支える社会基盤ですが,人口減少に伴って鉄道やバスの存続が難しくなっています。 私は道内の都市間鉄道を対象として,どのような利用促進策を進めていくべきかについての研究を進めています。 北海道の厳しい現状を目の当たりにしていると,他人ごとではなく自分ごととして考えていく責任を感じます。 一緒に公共交通の改善に向けて取り組んでいきましょう。

岩本 慎司
大学院工学院 北方圏環境政策工学専攻 修士課程1年(岡山県立岡山一宮高等学校出身)

卒業生からのメッセージ

北海道での経験をチカラに

大学院修了後は大成建設株式会社に入社しました。 3年間,本社土木設計部にてトンネルの設計業務,現場支援業務に携わり,その後は異動で長野県のバイパス道路トンネル工事の作業所に勤務しています。 設計部では大学で習った土質力学や構造力学,コンクリート工学などの知識が活きました。 現作業所では,安全なトンネル建設のための計画と各種計測を行っています。 また現場では全国各地から来る専門業者さんとお会いする機会がありますが,北海道の話題はウケがよく,盛り上がります。 北海道は非常に広く,温泉やアウトドア施設が豊富です。 更には海の幸,山の幸も有名で,よく「一度は行ってみたい」「もう一度行きたい」との声を様々な方から聞きます。 私も学生F時代は勉強だけでなく,車で北海道各地を1人,もしくは友人たちと巡りました。 ぜひ,大学での勉強に限らず,北海道という地で多様な人と出会い,様々な経験をして,その経験を自分のチカラにしてください。 北大という恵まれた地ではそのチャンスが多くあるはずです。


トンネル坑口前にて。ここからトンネルの掘削が始まります。
中野渡 博道さん
大成建設株式会社 北信越支店 下諏訪岡谷BP山田トンネル工事
2016年3月 工学部 環境社会工学科 社会基盤学コース 卒業
2018年3月 大学院工学院 環境フィールド工学専攻 修士課程 修了

常に挑戦し,より良い答えを

工学部を卒業後,国土交通省に入省し,国の河川事業や道路事業に携わってきました。 主に河川の堤防や護岸,トンネル,橋などを,多くの方々と協力して建設しています。 自然を土台にして物を作る場合,同じ設計になることはありません。 現地調査をし,その土地の環境に合わせて設計するので,必ず毎回オーダーメイドになります。 だから発生する問題も毎回違い,模範解答がない場合も多々あります。 それらの問題に一つ一つ挑戦し,答えを出していくことが重要な仕事です。 工学部では,グループで橋のデザインを考えてプレゼンしたり,自分たちで工夫して実験を行うなど,とてもやりがいを感じながら授業に取り組むことができました。 仲間と協力しながら,より良い答えを作り出すという経験は,今の仕事に生かされていると思います。 工学部の友人の多くは,主にゼネコンや設計コンサル等に就職し,日本だけでなく世界で活動しています。 友人の活躍する姿は,自分も負けていられないという気持ちにさせてくれます。 皆さんも,北大で興味のあることに挑戦し,良き師や友人と出会ってください。


三重県の工事現場にて
影山 希世さん
国土交通省 中部地方整備局 紀勢国道事務所 工務課
2008年3月 工学部 土木工学科 卒業

こんな人におすすめ

安全・安心な社会をつくり,守ることに貢献したい人,国際的なプロジェクトに関わりたい人, 「スケールの大きなことをやりたい」という大志を持った意欲溢れる人を歓迎します。 シビルエンジニアが関わるプロジェクトの多くは,世界で初めて取り組まれる問題を含んでいます。 難しいプロジェクトを長期にわたって遂行するためには,柔軟な発想や忍耐力に加え,コミュニケーション能カ,リーダーシップが必要です。 これらを身に付けて活躍したいという人にもおすすめです。

研究室

進路・資格

卒業後の進路

国家公務員・地方公務員・シンクタンク・コンサルタントなどにおける政策立案者,JR・電力・高速道路会社・建設業などにおける専門技術者, 大学や研究所などでの教育・研究者,デベロッパーや国際協力機構などにおけるプロジェクト担当者など幅広い分野で活躍しています。 特に海外で活躍する人が多いのが本コースの特徴です。

取得可能な資格

■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■測量士・測量士補
■甲種消防設備士(受験資格)
■火薬類取扱保安責任者(試験科目一部免除)
■コンクリート技士(受験資格)
■コンクリート主任技士(受験資格)
■コンクリート診断士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
■造園施工管理技士(受験資格)

※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。

産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は,2023年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。

主な就職先

●IHI ●アビームコンサルティング ●NTTドコモ ●大林組 ●共同コンピュータ ●国際協力機構 ●国土交通省 ●札幌市役所 ●JFEエンジニアリング ●ジオテック ●ショーボンド建設 ●清水建設 ●ソフトバンクグルーブ ●損害保険ジャパン ●中部電力 ●鉄道建設・運輸施設整備支援機構 ●電源開発 ●東京電力ホールディングス ●ドーコン ●中日本高速道路 ●日本工営 ●野村不動産 ●B&DX ●東日本高速道路 ●北海道電力

(50音順)

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