(「北海道大学工学部のすべて 2021-2022」より抜粋)
Introduction
人々の幸せや豊かな生活を支えるエレクトロニクス。
身の回りのあらゆる環境で必要とされるエレクトロニクスについて,
基礎から応用まで広く深く学ぼう。
それは,人類にとって本当に役立つモノを創りだせる未来につながっている。
これからのエレクトロニクスを,安全に進化させる。
携帯電話をはじめ自動車や家電製品など,さまざまなところにコンピュータや通信機器が利用されています。 これらの機器は,技術革新によって小型化・高速化・高機能化がなされてきました。 これからのエレクトロニクスは,利便性の追求だけではなく,安全性を高め環境を守るように進化しなければなりません。
新しい可能性を持つ,次世代エレクトロニクスの創出。
エレクトロニクスは,単原子・単分子・単電子を制御して新しい機能発見を目指す「ナノエレクトロニクス」, 電子のスピンを利用する「スピントロニクス」,光子の特徴を利用した「光エレクトロニクス」, 生物や化学の分野との融合を目指す「分子・バイオエレクトロニクス」などの側面を持っています。
カリキュラムの特徴
エレクトロニクスの基礎から応用まで,幅広く学ぶ。
本コースでは,電気電子工学の基礎から応用まで幅広く学びます。さまざまな課題を解決し, 新しいテクノロジーを生みだす源泉は,幅広い知識と高い応用力です。 そのために,数学と物理学に重点をおいた基礎科目をはじめ,エレクトロニクスの基盤となる材料から, これらを動かすソフトウェアに至るまで,多彩な専門科目を学びます。 電気電子工学を中心とした幅広い知識と応用技術を身に付けた,エレクトロニクスの専門家を育成します。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用数学I・II・III ●電磁気学 ●ディジタル回路 ●電気回路 ●情報数学 ●応用電気回路 ●電子デバイス工学 ●信号処理 ●量子力学 ●情報理論 ●線形システム論 ●計算機プログラミングI・II ●コンピュータ工学 ●電子回路 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●集積回路工学 ●光工学 ●応用光工学 ●物性工学 ●計測制御工学 ●集積システム工学 ●通信工学 ●電気電子材料工学 ●数値解析とシミュレーション基礎 ●半導体デバイス工学 ●応用量子力学 ●電気エネルギー工学 ●応用電磁気学 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業研究 など
大学院情報科学院 情報科学専攻 情報エレクトロニクスコース
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●固体物性学特論 ●情報エレクトロニクス特別演習 ●半導体デバイス物理学特論 ●情報エレクトロニクス特別研究 ●集積システム学特論 ●光情報システム学特論 ●光エレクトロニクス特論(修士課程) ●電子材料学特論(博士後期課程)
学生の声
電気電子工学コースを選んだ理由
コース選択はかなり悩みましたが,電気電子工学コースを選んだ決め手は各研究室で行っている研究内容が多種多様あることでした。 専門科目は材料からプログラミングまで幅広く学べるというのも迷っていた私にとっては良い条件でした。 2年生,3年生で専門科目を学習した後でやりたいことを見つけられるため,研究内容において自分の納得のいく選択ができるのではないかと思います。 学ぶべきことは山積みですがこれから研究を進めていくのが楽しみです。

情報エレクトロニクス学科 電気電子工学コース4年 (静岡県立沼津東高等学校出身)
大学院生の声
未踏波長帯LEDの実現を目指して
日常の中で幅広く使われてるLEDですが,現在の材料では緑~黄色帯で高効率に発光させることが出来ません。 この問題を解決するために,私は「半導体ナノワイヤ構造」を用いた新しい材料の創生に取り組んでいます。 この研究は,高効率・高精細な未踏波長帯LEDの実現だけではなく,新しい3Dディスプレイシステムの実現にも繋がる可能性があります。 私たちの生活を次のステージへシフトするため,最先端のデバイス技術を駆使して日夜研究に励んでいます。

大学院情報科学院 情報科学専攻 情報エレクトロニクスコース 修士課程1年 (北海道函館ラ・サール高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
世界レベルのエンジニアを目指して
私はAppleで,さまざまな製品の開発に携わっています。 Appleは世界的にインパクトのある製品を数多く提供し続けています。 その開発の過程で直面するさまざまな問題解決のための考え方は,大学院の研究を通して自然と学んでいたように思います。 在学中は超低消費電力で動作する半導体LSIの研究をしていました。 大学院での研究は答えが一つでは無く様々な角度から問題解決の手法や新しいアプローチを自由に提案することができます。 世界で誰も提案していない問題解決方法や新しいアプローチをひらめいた時の達成感は何ものにも代えがたい経験です。 ぜひ皆さんも,研究の世界に飛び込んでみませんか。 就職後のみならず,今後の自分の人生を大きく変える経験になると思いますよ!

Apple
2010年3月 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 博士後期課程 修了
こんな人におすすめ
本コースの希望者には,常に新しい課題に目を向け,自ら積極的に取り組む姿勢が望まれます。 大規模集積回路・LSIシステムに興味がある人,新しい材料やナノテクノロジーに興味がある人,仮想より現実のモノを大切にする人, ヒトとさまざまな機器をやさしくつなぐ知的インターフェースに興味がある人, 太陽電池など未来のエコロジー社会を実現するエレクトロニクスに興味がある人,広い視野から人類にとって役立つモノをつくりたい人, 一つの技術にこだわらずに自分の可能性を広げたい人におすすめです。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
本コースの卒業生に寄せられる社会の期待は極めて大きく,就職先は,世界的な電気メーカー,情報・通信企業,自動車メーカー, 電力会社などの大手企業が多くを占めています。 景気の動向にほとんど左右されず,安定して多くの求人が寄せられています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(数学・理科・情報)
■甲種消防設備士(受験資格)
■第一級陸上無線技術士(試験科目一部免除)
■第一級陸上特殊無線技士
■第三級海上特殊無線技士
■電気通信主任技術者(試験科目一部免除)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は,2021年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●アクセンチュア ●Amoeba Energy ●ウエスタンデジタルジャパン(サンディスク) ●NTTデータ ●関西電力 ●キオクシア ●キヤノン ●札幌市役所 ●三洋貿易 ●シャープ ●スズキ ●住友化学 ●ソニー ●ソニーLSIデザイン ●TDK ●東海理化 ●東海旅客鉄道 ●東芝(東芝デバイス&ストレージ) ●ニコン ●日本原燃 ●日本無線 ●パナソニック ●東日本旅客鉄道 ●日立製作所 ●富士通 ●北陸電力 ●北海道電力 ●本田技研工業 ●ミネベアミツミ ●ワキュウトレーディング ●早稲田ゼミナール
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