Introduction
人々の幸せや豊かな生活を支えるエレクトロニクス。
身の回りのあらゆる環境で必要とされるエレクトロニクスについて、基礎から応用まで広く深く学ぼう。
それは、人類にとって本当に役立つモノを創りだせる未来につながっている。
これからのエレクトロニクスを、安全に進化させる。
スマートフォーンをはじめ家電、自動車など、さまざまなところにコンピュータや通信機器が利用されています。 これらの機器は半導体デバイスやセンサなどで構成され、技術革新によって小型化・高速化・高機能化がなされてきました。 これからのエレクトロニクスは、利便性の追求だけではなく、安全性を高め環境を守るように進化しなければなりません。
新しい可能性を持つ、次世代エレクトロニクスの創出。
エレクトロニクスは、単原子・単分子・単電子を制御して新しい機能発見を目指す「ナノエレクトロニクス」、電子のスピンを利用する「スピントロニクス」、光子の特徴を利用した「光エレクトロニクス」、生物や化学の分野との融合を目指す「分子・バイオエレクトロニクス」などの側面を持っています。
カリキュラムの特徴
エレクトロニクスの基礎から応用まで、幅広く学ぶ。
本コースでは、電気電子工学の基礎から応用まで幅広く学びます。 さまざまな課題を解決し、新しいテクノロジーを生みだす源泉は、幅広い知識と高い応用力です。 そのために、数学と物理学に重点をおいた基礎科目をはじめ、エレクトロニクスの基盤となる材料から、これらを動かすソフトウェアに至るまで、多彩な専門科目を学びます。 電気電子工学を中心とした幅広い知識と応用技術を身に付けた、エレクトロニクスの専門家を育成します。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学、芸術、歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学、物理、化学、生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ ●電気回路 ●電子デバイス工学 ●情報理論 ●コンピュータ工学 ●電磁気学 ●情報数学 ●信号処理 ●線形システム論 ●電子回路 ●ディジタル回路 ●応用電気回路 ●量子力学 ●計算機プログラミングⅠ・Ⅱ など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●集積回路工学 ●物性工学 ●通信工学 ●半導体デバイス工学 ●電気エネルギー工学 ●光工学 ●計測制御工学 ●電気電子材料工学 ●応用量子力学 ●応用電磁気学 ●応用光工学 ●集積システム工学 ●数値解析とシミュレーション基礎 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業論文 など
大学院情報科学院 情報科学専攻 情報エレクトロニクスコース
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●固体物性学特論 ●光エレクトロニクス特論 ●半導体デバイス物理学特論 ●電子材料学特論 ●集積システム学特論 ●光情報システム学特論 ●情報エレクトロニクス特別演習(修士課程) ●情報エレクトロニクス特別研究(博士後期課程) など
学部生の声
高度情報化社会を支えるテクノロジーを学ぶ
高校生の時に電磁気学を学び、目に見えない現象が理論で説明できる面白さに惹かれ、電気電子工学コースを志望しました。 このコースでは電磁気学をはじめ、材料工学や光工学など多様な分野を学べるため、理論を深めたい人や実社会で役立つ技術を身に付けたい人におすすめです。 私自身、幅広い知識を得る中で最先端技術に触れ、通信やエレクトロニクス分野の発展に貢献したいと考えるようになりました。 興味を探しつつ挑戦したい人には最適な環境です。

情報エレクトロニクス学科 電気電子工学コース4年 (北海道旭川北高等学校出身)
大学院生の声
熱を制御する新たなデバイスの創出を目指して
最近話題の「半導体」の進化を支えているのは、多種多様な電子材料です。 特にディスプレイなどに活用されている機能性酸化物は、優れた物性を示すものや可変な特性を持つものなど、多彩な物質です。 私の研究では、酸化物薄膜を用い、熱物性の変調によって熱の流れを制御する「熱トランジスタ」という新しいデバイスの開発に挑戦しています。 原子スケールの研究がエネルギー問題という大きな課題の鍵になりうることに魅力を感じています。

大学院情報科学院 情報科学専攻 電気電子工学コース 博士課程1年 (同志社高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
世界レベルのエンジニアを目指して
私はAppleで、さまざまな製品の開発に携わっています。 Appleは世界的にインパクトのある製品を数多く提供し続けています。 その開発の過程で直面するさまざまな問題解決のための考え方は、大学院の研究を通して自然と学んでいたように思います。 在学中は超低消費電力で動作する半導体LSIの研究をしていました。 大学院での研究は答えが一つではなくさまざまな角度から問題解決の手法や新しいアプローチを自由に提案することができます。 世界で誰も提案していない問題解決方法や新しいアプローチをひらめいた時の達成感は何ものにも代えがたい経験です。 ぜひ皆さんも、研究の世界に飛び込んでみませんか。 就職後のみならず、今後の自分の人生を大きく変える経験になると思いますよ!

Apple
2010年3月 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 博士後期課程 修了
こんな人におすすめ
本コースの希望者には、常に新しい課題に目を向け、自ら積極的に取り組む姿勢が望まれます。 大規模集積回路・LSIシステムに興味がある人、新しい材料やナノテクノロジーに興味がある人、仮想より現実のモノを大切にする人、ヒトとさまざまな機器をやさしくつなぐ知的インターフェースに興味がある人、太陽電池など未来のエコロジー社会を実現するエレクトロニクスに興味がある人、広い視野から人類にとって役立つモノをつくりたい人、一つの技術にこだわらずに自分の可能性を広げたい人におすすめです。
研究室
進路・資格
卒業後の進路
本コースの卒業生に寄せられる社会の期待は極めて大きく、就職先は、世界的な電気メーカー、情報・通信企業、自動車メーカー、電力会社などの大手企業が多くを占めています。 景気の動向にほとんど左右されず、安定して多くの求人が寄せられています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(数学・理科・情報)
■甲種消防設備士(受験資格)
■第一級陸上無線技術士(試験科目一部免除)
■第一級陸上特殊無線技士
■第三級海上特殊無線技士
■電気通信主任技術者(試験科目一部免除)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や、卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況
※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●アイリスオーヤマ ●アズビル ●ANAウイングス ●インプレス ●NTTアドバンステクノロジ ●NTTドコモ ●関西電力 ●きんでん ●神戸製鋼所 ●サキコーポレーション ●Sansan ●Cisco Systems ●Japan Advanced Semiconductor Manufacturing ●シャープ ●スズキ ●STUDIO ●SCREENホールディングス ●SCREENセミコンダクター ソリューションズ ●ソニー ●東京エレクトロン ●東京ガス ●ニコン ●日本電信電話 ●日本プロセス ●野村総合研究所 ●日立製作所 ●PwC Japan ●富士通 ●北海道立総合研究機構 ●本田技研工業 ●三井住友トラスト・アセットマネジメント ●三菱電機 ●ミネベアミツミ ●村田製作所 ●明電舎 ●ヤマハ発動機 ●UT東芝 ●ルネサスエレクトロニクス
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キーワード
(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)