資源循環システムコース

Introduction

限りある資源を、限りなく活用するために。

理論上、完全な循環社会は実現不可能だが、循環「型」社会をつくることはできる。
資源を採掘し、有効利用し、安全に廃棄する。
資源循環を実現する技術者・研究者になろう。

社会の中の資源の流れを、あらゆる角度から研究。

私たちが地球環境との調和を保ちながら豊かで住みよい生活を営み、生産活動や社会活動を行うためには、循環型社会の形成が不可欠です。 本コースでは、幅広い工学基礎教育をベースに、社会の中の資源の流れをさまざまな角度から教育し、循環型社会で求められる創造性豊かな自立した技術者・研究者を育成します。

グローバルな視点から、資源の有効利用を図る。

教育・研究の対象は広く、天然資源の開発・利用、廃棄物の資源化・リサイクルや地層処分、汚染環境の修復などに取り組んでいます。 近未来の資源・エネルギー問題に対処する「資源」、循環型社会を構築する「環境」、未利用で広大な地下空間の活用を目指す「地殻」という三つの柱を設けています。

カリキュラムの特徴

少人数による実験・演習とインターンシップを重視。

少人数による実験・演習と国内外におけるインターンシップを重視した教育が、このコースの特色です。 地球科学、物理化学、弾性体の力学、流体力学、熱力学などの専門基礎科目から、応用地質学、計測工学、粉体工学、岩盤工学、資源循環工学、地殻システム工学、地下水工学などの専門色の強い科目までを体系的に履修します。 これらの科目には工学のさまざまな学問領域が網羅されており、幅広い基礎工学の知識も習得できます。

コース カリキュラム

1年次 (総合教育部)

【全学教育科目】
●教養科目(文学、芸術、歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学、物理、化学、生物) ●情報学 など

2年次

【学科共通科目・コース専門科目】
●応用数学Ⅰ・Ⅱ ●応用数学演習Ⅰ ●構造力学Ⅰ ●応用地質学 ●図形科学 ●土質力学Ⅰ ●弾性体の力学 ●地球科学 ●熱力学 ●熱力学演習 ●物理化学 ●計測工学 ●資源循環システム実験Ⅰ ●資源循環システムⅠ ●資源循環デザイン など

3年次

【コース専門科目】
●岩盤工学 ●粉体工学 ●流体力学 ●流体力学演習 ●地下水工学 ●地殻システム工学 ●物理化学演習 ●数値計算法 ●資源循環システム実験Ⅱ・Ⅲ ●資源化学Ⅱ ●土質力学Ⅱ ●火薬及び爆破工学 ●環境物理 ●微生物工学 ●インターンシップ ●資源情報学 など

4年次

【コース専門科目】
●卒業論文 など

大学院工学院

環境循環システム専攻
【修士課程・博士後期課程】
●資源生産システム特論 ●選鉱・リサイクル工学特論 ●資源生物工学特論 ●環境地質学特論Ⅰ・Ⅱ ●環境プロセス鉱物学特論 ●岩盤工学特論 ●資源サステナビリティ特論 ●地圏計測工学特論 ●連続体・不連続体力学特論 ●環境循環システム特別演習(修士課程) ●環境循環システム特別研究(博士後期課程) など
共同資源工学専攻
【修士課程・博士後期課程】
●資源マネージメントⅠ ●国際人材交流セミナー ●国際フィールド調査 ●鉱床学 ●地球・宇宙探査工学 ●地球熱学概論 ●流体資源採掘法 ●採鉱計画特論 ●共同資源工学研究企画 ●共同資源工学特別演習 ●物理探査工学 ●石油工学特論 など

学部生の声

限られた資源、無限の学び

私たちの生活に欠かせない資源ですが、日本で採掘できる量は限られており、多くを海外に依存しています。 資源エンジニアの需要が高まる一方で、国内で資源を体系的に学べる大学は少なく、本コースはその中でも国内有数の学びの場です。 私はその希少性と幅広い将来の選択肢に惹かれ、本コースを選びました。 資源企業の方による講義や海外インターンシップを通じて国際性や社会性を深く学べたのも貴重な経験になりました。 海外志向の方、実社会に貢献したい方、お待ちしています!

浜口 怜子
環境社会工学科 資源循環システムコース4年 (京都市立堀川高等学校出身)

大学院生の声

コスパ最強と言えば、工学部の資源!

私は2・3年次にインドネシア・アメリカへ派遣され、4年次には研究を武器に研究室の仲間と世界に挑んだ。 モンゴルのコンペで3位入賞、ノルウェーで行われた世界大会で優勝を経験。 これら全ての費用はほぼゼロ。本コースや資源人材を支援する財団のサポートのおかげです。 なぜこれほど支援が厚いのか? 日本で資源を学べる大学は北大含め数校のみ。 年間で輩出される資源人材は約200人と希少であることから産官学が一体となり、惜しみない支援を行っています。 挑戦するほど応援される環境、それが「コスパ最強」と言われる理由。 このチャンスを活かしたいなら、資源へ!

武田 理熙
大学院工学院 環境循環システム専攻 修士課程1年 (東京都立日比谷高等学校出身)

卒業生からのメッセージ

北大での経験が今の自分に

2019年に住友商事株式会社へ入社し、4年間、ウラン鉱山の管理と放射性物質を輸送する仕事に携わってきました。 商社というと一般的に文系のイメージがあるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。 私の場合は、資源の学科で学んだ数学・化学・地学の基礎知識と、製錬などの鉱山開発に関わる応用知識が業務に活かされています。 また、アラスカの金鉱山やモンゴルの銅鉱山でのインターンシップに参加したことや、苦労しながらも英語でコミュニケーションを取りながら留学生と共同研究を行ったことは、かけがえのない楽しい経験であるとともに、さまざまな国や地域で働いてみたいという思いを持つきっかけになりました。 座学と研究とインターンシップ、そして人間関係、すべてが総合商社で働いている今の自分につながっていることを実感しています。 皆さんも北大工学部で学び、やりたいことを見つけ、夢を実現させてください。


出張先にて
辻 脩志さん
欧州住友商事会資源新事業開発部
2017年3月 工学部 環境社会工学科 資源循環システムコース 卒業
2019年3月 大学院工学院 共同資源工学専攻 修士課程修了

こんな人におすすめ

何より、環境と調和した資源の有効利用に携わりたい人を求めています。 資源循環システムは、地球(自然)を対象とする工学であり、数学・物理学・化学・地学などの基礎科目を幅広く習得していることが望まれます。 研究や実践のフィールドは、地球的規模にわたっているため、国際的な視野からものを見ることができる人や、チャレンジ精神が旺盛な人を特に歓迎しています。 スケールの大きな仕事をしたい人、グローバルに活躍できる技術者・研究者を目指す人には最適のコースです。

研究室

進路・資格

卒業後の進路

幅広い専門性とバイタリティーが歓迎され、あらゆる業種の企業から多数の求人があります。 最近の主な就職分野は、官公庁、公的研究機関、資源・エネルギー産業、環境・化学関連産業、セラミックス、金属・セメントなどの素材・材料メーカー、自動車・建設機械などの機械メーカー、ゼネコンや地質・計測コンサルタントなどの土木建設業、情報関連産業など極めて多彩です。 また多くの卒業生が海外で活躍しています。

取得可能な資格

■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■火薬類取扱保安責任者(試験科目一部免除)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■土木施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
■造園施工管理技士(受験資格)

※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。

産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。

主な就職先

●出光興産 ●今治造船 ●エクシオグループ ●荏原製作所 ●大阪ガス ●クボタ ●熊谷組 ●原子力エンジニアリング ●国際協力銀行 ●清水建設 ●JRTT鉄道・運輸機構 ●JX金属 ●住友金属鉱山 ●双日 ●ソニー生命 ●太平洋コンサルタント ●東京ガス ●東京電力 ●日鉄鉱業 ●日鉄スラグ製品 ●日本航空 ●日本製鉄 ●野村不動産 ●PwCコンサルティング ●丸紅 ●三菱電機

(50音順)

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(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)