(「北海道大学工学部のすべて 2023-2024」より抜粋)
Introduction
限りある資源を,限りなく活用するために。
理論上,完全な循環社会は実現不可能だが,循環「型」社会をつくることはできる。
資源を採掘し,有効利用し,安全に廃棄する。
資源循環を実現する技術者・研究者になろう。
社会の中の資源の流れを,あらゆる角度から研究。
私たちが地球環境との調和を保ちながら豊かで住みよい生活を営み,生産活動や社会活動を行うためには,循環型社会の形成が不可欠です。 本コースでは,幅広い工学基礎教育をベースに,社会の中の資源の流れをさまざまな角度から教育し, 循環型社会で求められる創造性豊かな自立した技術者・研究者を育成します。
グローバルな視点から,資源の有効利用を図る。
教育・研究の対象は広く,天然資源の開発・利用,廃棄物の資源化・リサイクルや地層処分,汚染環境の修復などに取り組んでいます。 近未来の資源・エネルギー問題に対処する「資源」,循環型社会を構築する「環境」,未利用で広大な地下空間の活用を目指す「地殻」という三つの柱を設けています。
カリキュラムの特徴
少人数による実験・演習とインターンシップを重視。
少人数による実験・演習と国内外におけるインターンシップを重視した教育が,このコースの特色です。 地球科学,物理化学,弾性体の力学,流体力学,熱力学などの専門基礎科目から,応用地質学,計測工学,粉体工学,岩盤工学,資源循環工学, 地殻システム工学,地下水工学などの専門色の強い科目までを体系的に履修します。 これらの科目には工学のさまざまな学問領域が網羅されており,幅広い基礎工学の知識も習得できます。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用数学I・II ●応用数学演習I ●構造力学I ●応用地質学 ●図形科学 ●土質力学I ●弾性体の力学 ●地球科学 ●熱力学 ●熱力学演習 ●物理化学 ●計測工学 ●資源循環システム実験I ●資源循環システムI ●資源循環デザイン など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●岩盤工学 ●粉体工学 ●流体力学 ●流体力学演習 ●地下水工学 ●地殻システム工学 ●物理化学演習 ●数値計算法 ●資源循環システム実験II・III ●資源化学II ●土質力学II ●火薬及び爆破工学 ●環境物理 ●微生物工学 ●インターンシップ ●環境情報学 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業研究 など
大学院工学院
環境循環システム専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●資源生産システム特論 ●選鉱・リサイクル工学特論 ●資源生物工学特論 ●環境地質学特論I・II ●環境プロセス鉱物学特論 ●岩盤工学特論 ●資源サステナビリティ特論 ●地圏計測工学特論 ●連続体・不連続体力学特論 ●環境循環システム特別演習(修士課程) ●環境循環システム特別研究(博士後期課程) など
共同資源工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●資源マネージメントI ●国際人材交流セミナー ●国際フィールド調査 ●鉱床学 ●地球・宇宙探査工学 ●地球熱学概論 ●流体資源採掘法 ●採鉱計画特論 ●地球環境修復工学 ●流体資源貯留層工学 ●物理探査工学 ●石油工学特論 など
学生の声
国際的に活躍できる人材ヘ
資源について考える上で必要不可欠となるグローバルな視点を重視している本コースでは,インターンシップ制度が充実しており,私も海外インターンシップに参加できました。 大規模な鉱山を自分の目で見たことや,日本とは異なる文化に触れられたことは,貴重な経験になりました。 このような経験を学部生の間にできることが,本コースの魅力の一つです。 国際的に活躍したいという思いを持つそこのあなた,ぜひ資源循環システムコースヘ!
環境社会工学科 資源循環システムコース 4年(奈良県立奈良高等学校出身)
大学院生の声
将来の地球を救おう
リサイクルといえばどんなことをイメージしますか? 例えばペットボトルの場合,ペットボトルを繊維にして衣類などに再生させるようなリサイクルをイメージする方が多いと思います。 しかしその形態では,1~2回リサイクルすると廃棄物になってしまいます。 そこで私は,廃ペットポトルが新ペットボトルにリサイクルされる循環型リサイクルを目指して研究しています。 廃棄物が少なく環境に優しい世界を一緒につくっていきましょう。
大学院工学院 環境循環システム専攻 修士課程1年(北海道札幌東高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
北大での経験が今の自分に
2019年に住友商事株式会社へ入社し,4年間,ウラン鉱山の管理と放射性物質を輸送する仕事に携わってきました。 商社というと一般的に文系のイメージがあるかもしれませんが,決してそのようなことはありません。 私の場合は,資源の学科で学んだ数学・化学・地学の基礎知識と,製錬などの鉱山開発に関わる応用知識が業務に活かされています。 また,アラスカの金鉱山やモンゴルの銅鉱山でのインターンシップに参加したことや,苦労しながらも英語でコミュニケーションを取りながら留学生と共同研究を行ったことは, かけがえのない楽しい経験であるとともに,様々な国や地域で働いてみたいという思いを持つきっかけになりました。 座学と研究とインターンシップ,そして人間関係,すべてが総合商社で働いている今の自分につながっていることを実感しています。 皆さんも北大工学部で学び,やりたいことを見つけ,夢を実現させてください。
出張先にて
欧州住友商事会資源新事業開発部
2019年3月 大学院工学院 共同資源工学専攻 修士課程修了
こんな人におすすめ
何より,環境と調和した資源の有効利用に携わりたい人を求めています。 資源循環システムは,地球(自学などの基礎科目を幅広く習得していることが望まれます。 研究や実践のフィールドは,地球的規模にわたっているため,国際的な視野からものを見ることができる人や, チャレンジ精神が旺盛な人を特に歓迎しています。 スケールの大きな仕事をしたい人,グローバルに活躍できる技術者・研究者を目指す人には最適のコースです。
研究室
進路・資格
卒業後の進路
幅広い専門性とバイタリティーが歓迎され,あらゆる業種の企業から多数の求人があります。 最近の主な就職分野は,官公庁,公的研究機関,資源・エネルギー産業,環境・化学関連産業,セラミックス,金属・セメントなどの素材・材料メーカー, 自動車・建設機械などの機械メーカー,ゼネコンや地質・計測コンサルタントなどの土木建設業,情報関連産業など極めて多彩です。 また多くの卒業生が海外で活躍しています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■火薬類取扱保安責任者(試験科目一部免除)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■土木施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
■造園施工管理技士(受験資格)
■技術士補
※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況
※産業別就職状況・主な就職先は,2023年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●安藤・間 ●出光興産 ●NTT東日本 ●ENEOS ●オルガノ ●管清工業 ●原子力発電環境整備機構 ●神戸製鋼所 ●国土交通省 ●国土防災技術 ●小松製作所 ●札幌市役所 ●JRA日本中央競馬会 ●JFEエンジニアリング ●SHIFT ●清水建設 ●住友金属鉱山 ●住友商事 ●双日 ●東京大学 ●戸田建設 ●日揮 ●日揮グローバル ●日揮ホールディングス ●ニスコ ●日本原子力研究開発機構 ●日本工営 ●日本政策金融公庫 ●農業総合研究所 ●ビットエー ●古河機械金属 ●丸紅 ●みずほファイナンシャルグループ ●三菱商事 ●三菱UFJ銀行 ●レイス
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