環境人間工学の使命(人間環境の安全を脅かす要因)

 環境工学コースの前身である衛生工学科は,社会の存立基盤である安全な人間環境を構築・保持すべく,社会の切実な要請により創設されました.環境人間工学は,人間を主体とした観点から,居住環境・産業環境・屋外環境,都市環境を対象とした評価手法・制御技術の開発,および設計の側面からその要請に応える使命を有しています.今日,環境人間工学が関わる人間環境を脅かす第一の要因はエネルギー資源の制約です.それは現在の安全な人間環境が,エネルギーに大きく依存する人工環境によって支えられているからです.一方,温熱環境工学の見地から,屋内外における安全と健康保全のためのより高度な新しい指標に基づく評価と制御が求められています.特に緊急課題として,ヒートアイランド現象等により熱中症等で救急搬送される患者(高齢者,労働者,学生等)が急増していることは世界的な問題となっています.「環境人間工学」は,これらの深刻な問題に正面から取り組む必要があり,そのためには,人体側と環境側双方の知見を有機的に統合することが不可欠です. ​

 安全と健康保全のためのより確かな新しい指標に基づく評価と制御,特に緊急課題の「暑熱環境リスク評価の方法の確立」と共に,「個体差・年齢構成を考慮したライフステージ変遷に対応する低負荷型生活様式と経済性を同時に満たし得る健康・安全な人間環境システム構築への道程を先導する環境人間工学を構築」します.総合大学の特色を生かして,他分野にまたがる研究交流の場を生み出し十分なコミュニケーションを図ることで,広い観点から要求条件のあり方,目標を精査し,各々の特性を活かしながら課題解決をめざします.研究内容を,生体環境評価系,屋内外環境制御系,およびそれらを含む人間工学に基づく統合的人間環境システム系に位置づけ,研究課題に取り組んでいきます.

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