
Introduction
どこまでも人にやさしく、それも工学のミッション。
今世紀後半には、生物型ロボットが部屋を掃除し、福祉ロボットが人々を介護するようになるだろう。
変貌し続ける新しい社会に貢献できる能力をここで身に付けよう。
バイオ工学やロボット工学などの新領域に取り組む。
機械工学と原子工学を基盤として、制御工学、量子力学や情報処理・電子工学などを応用し、ロボット、バイオエンジニアリング、医療・福祉などの先端産業分野で活躍する技術者や研究者を育成します。 また、ナノ・マイクロ、エネルギー・環境等の新領域で活躍できる人材の育成も目標としています。
従来の機械工学を超えた、新領域に対応する教育を。
機械力学、材料力学やプラズマ物理などの基礎知識を習得するとともに、科学技術の発展に対応できるようにするため、従来の機械工学の範疇を超えた、新領域に対応するための基礎的知識に関する教育を充実させています。 また、学生自身の発想で課題解決を行う創成型教育、先端研究を体験する卒業研究にも力を注いでいます。
カリキュラムの特徴
先端分野で幅広い視野をもって活躍できる人材を育成。
機械情報コースと機械システムコースには、カリキュラム上も多くの共通点があります。 機械情報コース専門科目として、「ロボット工学」「バイオエンジニアリング」などにより重点を置いていますが、他方のコースの講義も聴講可能です。 両コース共通の科目は、各コースの専門科目を理解するうえで必要な機械知能工学の基礎科目を系統的に習得できるよう構成。 大学院進学時には、コースには関係なく志望による専攻の選択が可能です。
※R8年度4月入学者からは、コースが「機械・宇宙航空工学コース」と「量子エネルギー医工学コース」に改編されます。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●機械知能工学入門 ●工業倫理 ●コンピュータ演習 ●設計工学 ●CAD・CAM演習 ●計測工学実験 ●応用数学Ⅰ・Ⅱ ●電磁気学 ●量子力学 ●機械力学 ●振動工学 ●材料力学Ⅰ ●熱力学Ⅰ ●流体力学Ⅰ ●安全工学 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●設計演習Ⅰ・Ⅱ ●ラボラトリーセミナー ●工業英語演習 ●材料力学Ⅱ ●材料科学 ●伝熱工学Ⅰ・Ⅱ ●制御工学Ⅰ・Ⅱ ●電気・電子回路 ●メカトロニクス実習 ●原子物理 ●プラズマ物理 ●統計力学 ●材料強度学 ●計算工学A・B ●バイオエンジニアリング など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業論文 など
大学院工学院
機械宇宙工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●宇宙材料学特論 ●宇宙輸送工学特論 ●計算固体力学特論 ●人工衛星設計特論 ●分子流体力学特論 など
人間機械システムデザイン専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●システム最適設計特論 ●スマート構造制御特論 ●人間システム工学特論 ●ロボットメカニズム特論 ●固体・運動系バイオメカニクス特論 など
エネルギー環境システム専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●原子力システム安全工学特論 ●放射性廃棄物処分工学特論 ●放射線物理学特論 ●原子力・エネルギー材料特論 など
量子理工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●粒子線治療工学特論 ●加速器科学特論 ●量子ビーム計測工学特論 ●放射線医学物理工学特論 など
学部生の声
シンギュラリティの先へ
機械情報コースでは、加速する科学発展に対応し、自立したエンジニアになるために必要な知識を、多様な専門科目を通して理論から実践まで体系的に学べます。 3年間の学習を通して、モノづくりに必要な視点や思考力をじっくりと育てていきます。 風洞実験室や大型加速器など研究施設も充実しており、学部生のうちから最先端の研究に触れられるのも魅力です。 進化し続ける技術と向き合い、自らの可能性を切り拓いていける環境がここにあります。

機械知能工学科 機械情報コース4年 (北海道旭川東高等学校出身)
大学院生の声
幅広く学び、活かす
私は、がん治療の一種である陽子線治療の高精度化を目的とした研究を行っています。 具体的には、深層学習や画像処理を活用し、治療中に複雑に変化する体内構造を三次元的に予測する手法を検討しています。 そのため、学部で学んだ機械系の知識を活用しつつ、医学や情報学の知見を先生方から学びながら研究を進めています。 幅広い分野の最前線で活躍する先生方から学べる環境が機械知能工学科の大きな魅力だと感じています。

大学院工学院 量子理工学専攻 修士課程2年 (海城高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
「工学」で社会を支える!
財団法人鉄道総合技術研究所で、鉄道車両の走行性能の向上、乗り心地のさらなる向上のための研究開発に携わっています。 新たな開発品の提案や基礎的検討、研究所内の特色ある試験設備を活用した試験のほか、走行試験の結果評価なども行っています。 高校生時代は「モノづくり」の中でも動くモノを作ることにかかわる仕事がしたいという希望を持っており、工学部の中でも機械工学科(現:機械知能工学科)を選びました。 入学後は振動学への興味が深まり、機械力学分野(現ロボティクス・ダイナミクス研究室)で連続体の振動解析法についての研究に取り組みました。 私の携わっている鉄道システムは、機械、土木、建築、電気、制御、信号通信、情報、材料、環境、防災をはじめ工学で扱う分野の組み合わせで成り立っており、いずれかが欠けてもうまく機能しません。 学生時代に研究として取り組んだことはもちろんですが、周辺領域として学んだことが現在の業務に活きていることを実感しています。 皆さんも、幅広い分野で活躍できる工学部から、社会を支える一歩を踏み出してみませんか?
※「ロボティクス・ダイナミクス研究室」は、2025年現在、「精密計測学・ロボティクス研究室」になっています。

研究所内の試験車両を背景に
財団法人鉄道総合技術研究所 車両構造技術研究部 研究員
2006年3月 大学院工学研究科 機械科学専攻 修士課程 修了
2009年3月 大学院工学研究科人間機械システムデザイン専攻博士後期課程修了
こんな人におすすめ
ロボット、自動車、人工臓器など「人間と調和する機械」が今求められています。 そのような開発を担うのは、機械の基礎を学び、医療・福祉、量子ビーム科学などの最先端の科学・技術の知識や考え方を身に付けた人材です。 そんな時代の流れをリードしたい人におすすめです。 人間と一緒に働く機械や人間と機械のかかわりに興味がある人、新しい分析にかかわる物理・化学やコンピュータが好きな人、機械をばらしたり組み立てたりするのが好きな人に向いています。

研究室
- 機械宇宙工学専攻 材料機能工学研究室
- 機械宇宙工学専攻 材料力学研究室
- 人間機械システムデザイン専攻 バイオメカニカルデザイン研究室
- 人間機械システムデザイン専攻 精密計測学・ロボティクス研究室
- 人間機械システムデザイン専攻 知的構造システム研究室
- 人間機械システムデザイン専攻 変形制御学研究室
- エネルギー環境システム専攻 原子力環境材料学研究室
- 量子理工学専攻 量子ビーム材料解析・耐環境半導体デバイス工学研究室
- 量子理工学専攻 量子ビーム応用医工学研究室
- 量子理工学専攻 中性子ビーム応用理工学研究室
- 量子理工学専攻 プラズマ生体応用工学研究室
- 量子理工学専攻 プラズマ材料工学研究室
- 量子理工学専攻 量子エネルギー変換材料研究室
進路・資格
卒業後の進路
航空・宇宙、自動車、原子力、電気機器、製鋼・素材産業、精密機器、食品、繊維、化学、石油、プラントエンジニアリング等の製造業のほか、運輸・通信サービス、電力・ガス等のエネルギー企業で活躍しています。 最近は、コンピュータ、メカトロニクス、宇宙機器などの電子機器・情報関連産業や運輸・通信サービス産業への就職も多くなってきています。 これらの分野において、開発設計製造、研究、企画、管理等の中枢的部分において活躍しています。 教育および研究公務員へ進む者も多数います。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や、卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●オリンパス ●クボタ ●グロービング ●コアコンセプト・テクノロジー ●小松製作所 ●三信住建 ●Dirbato ●デンソー ●東海旅客鉄道 ●東京エレクトロン ●東京電力ホールディングス ●東北電力 ●日産自動車 ●日本製鉄 ●日本総合研究所 ●野村総合研究所 ●日立製作所 ●日立ハイテク ●日立ヴァンタラ ●富士フイルム ●芙蓉総合リース ●ブリヂストン ●北海道電力 ●本田技研工業 ●三菱重工業 ●三菱電機 ●村田製作所 ●ヤンマーホールディングス ●よつ葉乳業 ●ヨシザワ建築構造設計 ●リクルート
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キーワード
(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)