機械情報コース

(「北海道大学工学部のすべて 2021-2022」より抜粋)

Introduction

どこまでも人にやさしく,それも工学のミッション。

今世紀後半には,生物型ロボットが部屋を掃除し,
福祉ロボットが人々を介護するようになるだろう。
変貌し続ける新しい社会に貢献できる能力をここで身に付けよう。

バイオ工学やロボット工学などの新領域に取り組む。

機械工学と原子工学を基盤として,制御工学,量子力学や情報処理・電子工学などを応用し,ロボット,バイオエンジニアリング, 医療・福祉などの先端産業分野で活躍する技術者や研究者を育成します。 また,ナノ・マイクロ,エネルギー・環境等の新領域で活躍できる人材の育成も目標としています。

従来の機械工学を超えた,新領域に対応する教育を。

機械力学,材料力学やプラズマ物理などの基礎知識を習得するとともに,科学技術の発展に対応できるようにするため,従来の機械工学の範疇を超えた, 新領域に対応するための基礎的知識に関する教育を充実させています。 また,学生自身の発想で課題解決を行う創成型教育,先端研究を体験する卒業研究にも力を注いでいます。

カリキュラムの特徴

先端分野で幅広い視野をもって活躍できる人材を育成。

機械情報コースと機械システムコースには,カリキュラム上も多くの共通点があります。 機械情報コース専門科目として,「ロボット工学」「バイオエンジニアリング」などにより重点を置いていますが,他方のコースの講義も聴講可能です。 両コース共通の科目は,各コースの専門科目を理解するうえで必要な機械知能工学の基礎科目を系統的に習得できるよう構成。 大学院進学時には,コースには関係なく志望による専攻の選択が可能です。

コース カリキュラム

1年次 (総合教育部)

【全学教育科目】
●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など

2年次

【学科共通科目・コース専門科目】
●機械知能工学入門 ●CAD・CAM演習 ●量子力学 ●熱力学I ●工業倫理 ●計測工学実験 ●機械力学 ●流体力学I ●コンピュータ演習 ●応用数学I・II ●振動工学 ●安全工学 ●設計工学 ●電磁気学 ●材料力学I など

3年次

【コース専門科目】
●設計演習I・II ●伝熱工学I・II ●プラズマ物理 ●ラボラトリーセミナー ●制御工学I・II ●統計力学 ●工業英語演習 ●電気・電子回路 ●材料強度学 ●材料力学II ●メカトロニクス実習 ●計算工学A・B ●材料科学 ●原子物理 ●バイオエンジニアリング など

4年次

【コース専門科目】
●卒業研究 など

大学院工学院

機械宇宙工学専攻
【修士課程・博士後期課程】
●宇宙材料学特論 ●計算固体力学特論 ●分子流体力学特論 ●宇宙輸送工学特論 ●人工衛星設計特論 など
人間機械システムデザイン専攻
【修士課程・博士後期課程】
●システム最適設計特論 ●人間システム工学特論 ●固体・運動系バイオメカニクス特論 ●スマート構造制御特論 ●ロボットメカニズム特論 など
エネルギー環境システム専攻
【修士課程・博士後期課程】
●原子力システム安全工学特論 ●放射線物理学特論 ●放射性廃棄物処分工学特論 ●原子力・エネルギー材料特論 など
量子理工学専攻
【修士課程・博士後期課程】
●応用プラズマ数理工学特論 ●加速器科学特論 ●放射線医学物理工学特論 ●粒子線治療工学特論 ●量子ビーム計測工学特論 など

学生の声

北の大地で豊かに学ぶ

機械知能工学科では,航空宇宙工学やロボット工学,生体工学やMEMS工学など,多岐にわたる分野に触れることが出来ます。 近年注目の集まる環境問題に対して,どのような工学的アプローチを経て社会に貢献する機械を「創造」するのか, という事まで学べる事も本学科の魅力の一つであり,「モノを作る能力」だけではなく,社会が求める機能をいかに取り入れていくかを重要視しています。 ヒトと地球に優しいモノ作りを目指し,自然に囲まれた豊かな環境で,仲間と共に日々勉学に励んでいます。

西原 由宇太
機械知能工学科 機械情報コース 3年 (京都府立桃山高等学校出身)

大学院生の声

幅広い知識・スキルが身に付きます

私はハイブリッドロケットの実用化に向けた研究をしています。 自分達で設計,組立を行った装置を用いて燃焼実験を行い,そのデータを解析,燃焼現象のメカニズム解明を目指します。 私のメインは燃焼学ですが研究には流体,画像解析,プログラミングなど様々な知識が必要です。 そんなとき他研究室の先生方にそれぞれの専門家としての観点から助言を頂けるのは, 幅広い分野の研究室を持つ機械知能工学科のいいところだと思います。 色んな経験をしたい好奇心が旺盛な方にはこの学科はぴったりなのではないでしょうか。

深田 真衣
大学院工学院 機械宇宙工学専攻 博士後期課程1年 (東京都鷗友学園女子高等学校出身)

卒業生からのメッセージ

「工学」で社会を支える!

財団法人鉄道総合技術研究所で,鉄道車両の走行性能の向上,乗り心地のさらなる向上のための研究開発に携わっています。 新たな開発品の提案や基礎的検討,研究所内の特色ある試験設備を活用した試験のほか,走行試験の結果評価なども行っています。 高校生時代は「モノづくり」の中でも動くモノを作ることにかかわる仕事がしたいという希望を持っており, 工学部の中でも機械工学科(現:機械知能工学科)を選びました。 入学後は振動学への興味が深まり,機械力学分野(現ロボティクス・ダイナミクス研究室)で連続体の振動解析法についての研究に取り組みました。 私の携わっている鉄道システムは,機械,土木,建築,電気,制御,信号通信,情報,材料,環境,防災をはじめ工学で扱う分野の組み合わせで成り立っており, いずれかが欠けてもうまく機能しません。 学生時代に研究として取り組んだことはもちろんですが,周辺領域として学んだことが現在の業務に活きていることを実感しています。 皆さんも,幅広い分野で活躍できる工学部から,社会を支える一歩を踏み出してみませんか?


研究所内の試験車両を背景に
石栗 航太郎さん
財団法人鉄道総合技術研究所 車両構造技術研究部 研究員
2004年3月 工学部 機械工学科 卒業
2006年3月 大学院工学研究科 機械科学専攻 修士課程 修了
2009年3月 大学院工学研究科人間機械システムデザイン専攻博士後期課程修了

こんな人におすすめ

ロボット,自動車,人工臓器など「人間と調和する機械」が今求められています。 そのような開発を担うのは,機械の基礎を学び,医療・福祉,量子ビーム科学などの最先端の科学・技術の知識や考え方を身に付けた人材です。 そんな時代の流れをリードしたい人におすすめです。 人間と一緒に働く機械や人間と機械のかかわりに興味がある人,新しい分析にかかわる物理・化学やコンピュータが好きな人, 機械をばらしたり組み立てたりするのが好きな人に向いています。

研究室

進路・資格

卒業後の進路

航空・宇宙,自動車,原子力,電気機器,製鋼・素材産業,精密機器,食品,繊維,化学,石油,プラントエンジニアリング等の製造業のほか, 運輸・通信サービス,電力・ガス等のエネルギー企業で活躍しています。 最近は,コンピュータ,メカトロニクス,宇宙機器などの電子機器・情報関連産業や運輸・通信サービス産業への就職も多くなってきています。 これらの分野において,開発設計製造,研究,企画,管理等の中枢的部分において活躍しています。 教育および研究公務員へ進む者も多数います。

取得可能な資格

■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)

※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。

産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は,2021年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。

主な就職先

●IHI ●アドバンテスト ●インターネットイニシアティブ ●宇宙技術開発 ●兼松 ●キーエンス ●クボタ ●静岡市役所 ●ジャフコグループ ●シマノ ●清水建設 ●スズキ ●住友電気工業 ●住友重機械工業 ●タミヤ ●デンソー ●電通北海道 ●東海旅客鉄道 ●東芝エレベータ ●東北電力 ●トヨタ自動車 ●NICHIJO ●日産自動車 ●日本電気 ●野村総合研究所 ●パナソニック ●日立インダストリアルプロダクツ ●日立製作所 ●北海道ガス ●北海道大学 ●北海道電力 ●ボッシュ ●本田技研工業 ●マツダ ●三菱電機 ●三菱重工業 ●三菱マテリアル ●三菱マテリアル 加工事業カンパニー ●ミネベアミツミ ●村田製作所

(50音順)

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