(「北海道大学工学部のすべて 2021-2022」より抜粋)
Introduction
この国のかたちは,工学者の志でつくられる。
人々の安全な生活を維持するためには,工学的な見地からの社会基盤政策が重要だ。
国土政策の新たな道を拓くプロデューサーとなって,
未来の課題を解決しよう。
高度な技術をもとに,社会基盤政策をプロデュース。
人類の生活・活動領域の膨張と拡大は深刻な環境問題を起こしています。 人々の安全な生活を将来にわたって確保するためには,広域的かつ包括的で高度な技術に裏打ちされた社会基盤政策の立案と執行が不可欠となっています。 本コースでは,社会基盤施設をつくるプロデューサーを育てます。
社会基盤を設計・評価し,社会問題の解決に役立てる。
まずは土木工学を基礎として,国土政策,都市デザイン,計画システムの基礎を学びます。 次に,自然環境と社会環境の両者に基づいた空間的な配置やネットワーク計画などについて学びます。 社会基盤施設を計画・建設するための政策を立案・評価し,それを執行する能力を身に付けることを目指します。
カリキュラムの特徴
社会基盤施設を計画・建設するプロデューサーを育成。
本コースのカリキュラムは,「土木工学の基礎」と「国土政策の計画とデザイン」に関する科目から成り立っています。 最初に土木工学を基礎として,社会基盤整備に必要な政策,計画立案,都市デザイン,計画システムの基礎を学び,次に, 自然環境と社会環境の両者に基づいた空間的な配置やネットワーク計画などについて学びます。 また,情報処理,コミュニケーション能力やデザイン能力,グローバルな視点と工学倫理観など幅広い教育を受けることができます。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用数学I・II ●応用数学演習I・II ●コンピューティング演習 ●構造力学I ●土の力学I ●図形科学 ●構造力学演習I ●技術者倫理学 ●水理学I・II ●水理学演習I ●土木計画学 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●測量学 ●環境フィールド学実習 ●土木工学創成実験I・II ●水理学演習II ●土の力学II ●土の力学演習 ●土木計画学演習 ●パブリックデザイン論 ●社会資本政策学 ●パブリックデザイン演習 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業研究 など
大学院工学院
環境フィールド工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●応用流体力学特論 ●水資源管理工学特論 ●沿岸生態環境工学特論 ●河川管理工学特論 ●地盤物性学特論 ●沿岸波動力学特論 ●土砂輸送特論 ●環境コンクリート工学特論 ●地盤動力学特論 ●地盤防災特論 ●環境フィールド工学特別演習(修士課程) ●環境フィールド工学特別研究(博士後期課程) など
北方圏環境政策工学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●地域交通政策特論 ●寒冷地構造設計特論 ●社会基盤施設管理工学特論 ●弾性波動解析特論 ●建設マネジメント特論 ●計画数理学特論 ●北方圏環境政策工学特別演習(修士課程) ●北方圏環境政策工学特別研究(博士後期課程) など
学生の声
安全で暮らしやすいまちをつくる・支える
私は小学生の頃から,人々が安全,快適に暮らすことができるまちについて興味があったので,生活を支える基盤づくりをする土木を専攻することに決めました。 土木は市民の生活に密接に関わっている分野なので,学んだことが社会の役に立っていると普段の生活の中で実感することが多く, とても面白いと感じています。 また,寒地土木技術など北海道ならではの観点から土木を学ぶことができることも北大土木の魅力だと思います。

環境社会工学科 国土政策学コース4年 (埼玉県立浦和第一女子高等学校出身)
大学院生の声
みんなの当たり前を守る!
普段何気なく使う鉄道や橋。目立つ存在ではないですが,使えなくなったらどうしましょう?そんな「みんなの当たり前」を守るのが土木工学です。 国土政策学コースでは社会基盤構造物に関するスペシャリストである土木技術者を目指すことが出来ます。 私はみんなの生活を陰で支えるヒーローになりたくてこのコースに進学しました。 現在は地震後の地盤沈下に関する研究を行い,社会に役立てたいと思っています。 皆さんも影のヒーローを目指しませんか?

大学院工学院 環境フィールド工学専攻 修士課程2年(北海道立滝川高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
北大で素晴らしい経験を!
大学卒業後,森トラスト株式会社に入社しました。 森トラストは,都市開発やリゾート開発を中心に都市の価値を高め,都市の発展に寄与するビジネスを展開する総合不動産デベロッパーです。 私はその中でも,不動産の資産価値の維持や,今後のオフィスのあり方について考える業務に取り組んでいます。 大学では,社会基盤計画学研究室において,サテライトオフィス導入時の企業の立地選択行動についての研究に取り組み, 半年間の交換留学も経験することができました。 日々の業務では,研究を通じて身に付けた問題解決に向けた考え方はもちろん,土木の知識や留学で得た経験も様々な場面で役立っています。 大学での経験は,価値観や視野の拡大に大きく役立ち,必ず皆さんの助けになることと思います。 北大で様々な経験を積み,思い描く夢の実現に繋げていってください!

森トラスト株式会社 総務部管財グループ
土木は可能性をつかむチャンス!
地球から遠く離れた深宇宙を探査する「はやぶさ2」等の人工衛星と交信するためには,その信号を送受信するための大型アンテナが必要です。 澄んだ空気を有する長野県の山間部に直径54mのパラボラアンテナを整備する計画が進行中です。 JAXAといえば宇宙に注目が集まりがちですが,アンテナのみならず,ロケット打上げ施設,衛星開発試験装置,打上げ環境試験設備,衛星管制施設等, 宇宙を目指す技術の研究・開発を行う拠点のほとんどは地球上に存在し,全て安定した土木インフラの上に成り立っています。 これはJAXAに限った話ではなく,モノづくりを有するほぼ全ての業種に共通する話であり,その拠点の根幹を支えるのが土木技術者です。 また,将来的な人類の進出先として,月面や火星への拠点開発も期待され,開発に向けて土木技術は必要不可欠です。 あらゆる場面で重要性が再認識されている土木技術を習得し,皆様が広く活躍されることを期待します。

種子島宇宙センターにて
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
施設部施設推進課
2015年3月 大学院工学院 北方圏環境政策工学専攻 修士課程 修了
こんな人におすすめ
国家公務員,地方公務員,NPO,NGO,シンクタンク,コンサルタントや民間企業の立場から国土および地域計画に携わってみたい人, 社会基盤を設計・評価し,それを社会問題の解決に役立てるような仕組みを手掛けてみたい人を支援し育てます。 自分で問題を探して解決策を考え,それを社会で役立てようとする人,他人から与えられるものをやるのではなく, 自分から能動的に物事に対処し,活躍したい人を求めています。 このような人になるためには,深くて広い専門的な知識が必要となりますが,それを吸収できるような粘り強い性格の人におすすめです。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
国家公務員・地方公務員・シンクタンク・コンサルタントなどにおける政策立案者,JR・電力・高速道路会社・建設業などにおける専門技術者, 大学や研究所などでの教育・研究者,デベロッパーや国際協力機構などにおけるプロジェクト担当者など幅広い分野で活躍しています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■測量士・測量士補
■甲種消防設備士(受験資格)
■火薬類取扱保安責任者(試験科目一部免除)
■コンクリート技士(受験資格)
■コンクリート主任技士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■土木施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
■造園施工管理技士(受験資格)
■コンクリート診断士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は,2021年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●アクセンチュア ●NECソリューションイノベーター ●大林組 ●小樽市役所 ●鹿島建設 ●川田工業 ●五洋建設 ●札幌市役所 ●シティグループ証券 ●清水建設 ●首都高速道路 ●STANDAGE ●大和証券 ●TDK ●テクノプロ・エンジニアリング ●鉄道建設・運輸施設整備支援機構 ●東海旅客鉄道 ●東洋エンジニアリング ●ドーコン ●中日本高速道路 ●新潟県庁 ●西日本高速道路 ●西日本旅客鉄道 ●日本工営 ●パシフィックコンサルタンツ ●阪和興業 ●東日本高速道路 ●東日本電信電話 ●北海道大学 ●北海道旅客鉄道 ●前田建設工業 ●リンクコーポレイトコミュニケーションズ
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