
Introduction
まったく新しい世界が、キミの発見から始まる。
物理学を探求し、さらに社会への応用につなげるための学問。それが応用物理工学だ。
限りなく広がっている研究対象から、キミが発見した「何か」が、世界を変えるかもしれない。
物理学の深化と革新技術の萌芽を目指す学問。
基礎物理学の進展と最先端技術の進化は同時に進行し、極限技術がまた新しい自然観を育みます。その循環を担うのが「応用物理学」です。 これまで、応用物理学はエレクトロニクス、ナノテクノロジー、超伝導、量子光学、宇宙光学などの領域で多くの成果を生み人類の知的財産を築いてきましたが、21世紀に入りますます重要な学問領域となっています。
新しい価値を創造する力。
最先端の科学技術を駆使することによって新しい学問分野を創出する、現在の問題点を克服し新しい技術の芽を育てる、そうした研究者や指導的技術者の育成を目指します。 新しい価値を生むためには、物理学の知識に基づいて現象を理解しその本質を見抜く力、広い視野と柔軟な発想、そして一歩踏み出す勇気が必要なのです。
カリキュラムの特徴
物理学の基礎をしっかり学び、社会への応用に結びつける。
応用物理工学コースのカリキュラムには、量子力学、統計力学、熱力学、電磁気学、力学、応用数学などの物理学の基礎を学ぶ科目、光物理学、固体物理学などの応用的専門科目、応用力を高めるための実験・演習科目が用意されています。 卒業研究では、最先端の理論的・実験的研究に触れるとともに研究の手法を身に付けます。 もちろん、プレゼンテーション・ディスカッション能力や情報科学、科学英語の習得に関しても配慮されています。

応用物理工学コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学、芸術、歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学、物理、化学、生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用物理学 ●技術者倫理と安全 ●応用数学I・II ●熱力学 ●力学 ●電磁気学I ●振動・波動 ●応用物理学実験I ●連続体力学 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●光物理学I・II ●固体物理学I・II ●電磁気学II ●量子力学I・II ●統計力学I・II ●応用物理学実験II ●電子工学 ●応用数学III ●計算科学 ●極低温物理学 ●量子相関の基礎 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業研究 など
大学院工学院 応用物理学専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●相関系物理工学特論 ●非線形光学特論 ●結晶物性特論 ●低温物性特論 ●光物性特論 ●生物物理工学特論 ●量子エレクトロニクス特論 ●量子物理学特論 ●レーザー分光特論 ●光科学特論 ●応用物理学特別演習(修士課程) ●応用物理学特別研究(博士後期課程) など
学部生の声
自然現象を基礎から応用までまるごと考える
このコースで学ぶと、私たちの周りに広がっている自然の神秘を、物理学のことばで説明できるようになります。 そして、高校で学んだ物理学よりも俯瞰して物理学を学びます。 時空の対称性からエネルギーや全運動量などの保存量が導けたり、熱の移動はエントロピーが増える方向に進むなど、物理の基礎を改めて学ぶこともあれば、超伝導などの魅力的な物理現象を実験も交えて学ぶこともあります。 アドバイザーや研究室インターンなど学生を応援する制度も用意されており、学ぶ環境が整っています。

応用理工系学科 応用物理工学コース 4年 (市立札幌旭丘高等学校出身)
大学院生の声
一つの物理現象を多角的に捉える美しさ
私は開放量子系の理論研究に取り組んでいます。 私の研究では、既存の物理理論からの自然な類推・拡張として新たな理論を仮定し、その数値的知見を解析的に裏付けます。 このとき、数値計算は新たな理論的示唆を、解析計算はその実証を与えますが、どちらも同じ物理現象を、ただ異なる視点から語っているのです。 こうした観点から眺めると、数値計算と解析計算のつながりには、代数的構造と幾何学的対象との対応のような、言葉にできない美しさがあることに気づきます。

大学院工学院 応用物理学専攻 博士後期課程2年 (韓国インチョンジェイル高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
応用物理学研究者が社会を牽引する
私は現在、株式会社日立製作所において、先端材料に係わる研究開発に従事しています。 日立グループでは、多種多様な工業製品を開発しています。 入社後、ハードディスク、変圧器、産業用インクジェットプリンタなど、さまざまな製品の材料開発に携わってきました。 北大在学時は材料が発現する基本的な物理現象を研究対象としており、現在のような製品開発に直結する仕事は、大学時の研究と大きく異なります。 しかし、すべて製品の研究開発において、北大で学んだ応用物理学を中心とした知識・経験が生きています。 新製品開発や、既存製品の性能向上を図るためには、その製品が「どのように機能を発現するか」を深く考察することが必要です。 そして、このようなメカニズムを考察する学問が応用物理学です。 近年、工業製品におけるAI・ビッグデータ活用が進んでいます。 利便性が上がっていく一方で、物事のメカニズムを考察できる人が少なくなっていくように思います。 ますます応用物理学者の価値が高まっていくと思います。 ぜひ北大でさまざまなことを学んでください。 部活やアルバイトなども含め、大学時代のさまざまな経験が皆さんの未来につながっていくと思います。

株式会社日立製作所 研究開発グループ テクノロジーイノベーション統括本部 材料イノベーションセンタ 先端材料研究部
2008年3月 大学院工学研究科 応用物理学専攻 修士課程 修了
2011年3月 大学院工学研究科 応用物理学専攻 博士後期課程 修了
こんな人におすすめ
応用物理工学コースは、物理学をより深く知ろうとする姿勢を持ち、それと同時に新たな発見と新技術の創造に意欲のある学生が学ぶ場です。 応用物理の研究の対象は、原子スケールから宇宙のスケールに及び、また金属や半導体などの硬い物質から、高分子、生体、液晶などの柔らかい物質、そして規則正しい構造や常識をひっくり返す対称性を持つ構造、古典的な系から量子力学なしでは議論できない系など、その幅は研究したいと思えば際限なく広がる、そういう学問です。 物理学を通して新しい世界を見たい、そして新しい世界を作っていきたいという意欲のある学生にぴったりのコースです。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
独創的な科学技術の発展には、基礎科学の深い知識が不可欠という考えから、産業界でも物理学が重視されており、就職は例年好調です。 電気・情報関連メーカーへの就職者が30%を超えていますが、金属や高分子などの素材関係、バイオ関係、機械・自動車関係、医療関係など、非常に広範囲の産業分野の企業から求人があり、卒業生はさまざまな分野で活躍しています。
取得可能な資格
■中学校教諭一種免許状(理科)
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●NTTドコモ ●エムシーデジタル ●カワサキモータース ●京セラ ●サーバーワークス ●三光不動産 ●住友電気工業 ●JFEスチール ●JSOL ●全日本空輸 ●テクノプロ・デザイン社 ●デロイトトーマツファイナンシャルコンサルタント ●デロイトトーマツリスクアドバイザリー ●東京エレクトロン ●日鉄エンジニアリング ●日鉄ソリューションズ関西 ●日本航空電子工業 ●日立ハイテク ●日之出旅館 ●富士ソフト ●富士通 ●富士電機 ●プラス21 ●北海道ガス ●三菱自動車工業 ●ミネベアミツミ ●山善 ●リクルートマネージメントソリューションズ
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キーワード
(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)