
Introduction
100年後には、きっと文化財になるだろう。
今は文化遺産となっている歴史的建造物も、当時の最新技術で建てられたものだ。
最先端の建築学を究めた先にあるオリジナリティで、未来の人々を感動させよう。
建築や都市空間という、社会の資産を創りだす学問。
建築・都市学は、建築空間の創出を中心に、歴史的建築や自然環境をまもりながら、風土的な特質を生かした文化の基礎や社会の資産を創りだす学問領域です。 建築や都市をより安全に、より人にやさしく、より便利で、より快適に、より美しく、かつ価値あるものにしてゆく方法体系といえます。
人間の知性と感性を調和させ、新たな生活空間を創造。
建築・都市学の魅力は、人間のもつ幅広い知性に期待し、これと感性を調和させながら、新たな生活空間を創造するところにあります。 建築・都市学に関する幅広い専門的知識と総合的体系的な識見を持ち、人間性に立脚した生活環境の形成・維持・改良等の分野で活躍し得る、問題提起・解決能力を持つ人材を育成します。
カリキュラムの特徴
より快適で安全な都市環境を実現するための力を養う。
工学的基礎のみばかりではなく社会科学・人文科学・芸術等にわたる幅広い認識と分析力・創造力・総合力を養うことに重点を置いており、広く関連諸分野の認識を持てるような教育システムを採用しています。 また、建築・都市学にかかわる基礎知識・能力を育成するため、建築計画・設計、建築環境・設備、建築構造、建築生産の基本領域から、建築史、都市計画を含む広範な領域にわたり、時代の要請と地域の特性を踏まえた教育を行います。 また、少人数での討論やマンツーマンを重視した各種の演習などを通じて、建築・都市・環境の創出に必要な総合力と創造力を養います。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学、芸術、歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学、物理、化学、生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●コンピューティング演習 ●応用数学Ⅰ ●応用数学演習Ⅰ ●図形科学 ●構造力学Ⅰ・Ⅱ ●建築序説 ●計画・設計演習Ⅰ ●建築史通論 ●建築計画Ⅰ ●建築環境論 ●建設材料 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●計画・設計演習Ⅱ・Ⅲ ●建築計画Ⅱ ●都市計画 ●各種構造Ⅰ・Ⅱ ●コミュニティデザイン ●建築施工 ●建築構造動力学 ●地震工学 など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業論文・設計 など
大学院工学院
建築都市空間デザイン専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●都市デザイン学特論 ●建築都市史特論 ●建築計画学特論 ●都市防災学特論 ●都市再生計画学特論 ●空間構造デザイン特論 ●住環境計画学特論 ●建築デザイン学特論 ●計画・設計特別演習Ⅰ・Ⅱ ●建築都市空間デザイン特別演習(修士課程) ●建築都市空間デザイン特別研究(博士後期課程) など
空間性能システム専攻
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●建設材料学特論 ●建築環境特論 ●建築生産特論 ●空間設計学特論 ●木質建築計画特論 ●空間性能システム特別演習(修士課程) ●空間性能システム特別研究(博士後期課程) など
学部生の声
納得するまで議論し、形にする
建築都市コースでは実際に建物を見学し、建築や都市の在り方を学びます。 部材の強度試験ではデータを元に壊れ方のプロセスを体感します。 演習課題では、身近な地域を舞台に、その場所に適した建築や空間を図面と模型で提案します。 仲間と議論をし、試行錯誤しながら作り上げていく過程は達成感を生み、プレゼンスキルも磨かれます。 あらゆる角度から学び、人々の暮らしや社会への理解が深まることが楽しいと感じています。

環境社会工学科 建築都市コース4年 (東京都立小山台高等学校出身)
大学院生の声
日々を豊かにする空間づくりへの挑戦
建物は私たちの日常と密に関わり、生活に大きな影響を与えています。 空間が変われば暮らしも変わる。 そんな建築の力に魅了され、人々の生活を豊かにする環境づくりを目指して、建築の道を志望しました。 私が所属する建築計画学研究室では、利用者の視点に立った研究を行っています。 また、実務的なプロジェクトにも携わり、土地にどのような建物を建てるべきかを議論する段階から、実際に形として完成するまでの過程を学べる点に、大きな魅力を感じています。

大学院工学院 建築都市空間デザイン専攻 修士課程2年( 静岡県立沼津東高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
楽しいことを仕事にする
大学院修了後は都内の建築設計事務所に就職し、これまで全国で住宅、旅館、体育館などを設計し、現在は北海道でホテルを設計しています。 建築設計とは建築の図面を描くことですが、その過程でフィールドワークをしたり、3DCGを作成したり、工事が始まると現場で図面通り建設されているか確認したりと業務はさまざまです。 建築の設計は本当に楽しいです。 私の中でその楽しさは三つあります。 ①頭で考えた空想を物として具現化できること②設計を通じてその背後にあるさまざまな文化、生活など多岐にわたる知見に触れられること③立ち現れた建築が社会の一員として人や都市のためになる姿を見届けられること。 在学時には設計演習という架空の与件に対して建築を設計しプレゼンする実践的な講義がありましたが、同期と共に昼夜問わず没頭していたあの楽しさが、色褪せることなく今の仕事につながっています。 ぜひ、最高のキャンパスで心から楽しいと思えることを見つけてください。

設計監理を担当した福岡県上毛町立体育館にて
NAP建築設計事務所
大学院工学院 建築都市空間デザイン専攻 修士課程 修了
こんな人におすすめ
理性的な思考と豊かなイマジネーションで、過去と未来を見通し、世界の文化に目を向けながら、さまざまな人々との協働の中で建築や都市の姿を考えたいという意志がある方には、楽しく意欲的に学ぶことのできるコースです。 本コースでは、主体的な問題意識を持った、磨けば光る個性の持ち主を必要としています。 将来は、建築や都市の計画・設計・構築にかかわるプランニング・デザイン・エンジニアリングのほか、構想や企画のプロデュース、生産や施工のマネジメントなど幅広く、国内外での活躍が期待されています。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
総合建設業・設計事務所等の建築技術者、国家公務員・地方公務員など建築・都市行政の担い手、大学や研究所などの教育・研究職、設備機器や住宅産業等のメーカー・不動産業等の技術者、設計事務所・開発コンサルタント等の経営者など、幅広い分野で活躍しています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(理科・工業)
■甲種消防設備士(受験資格)
■一級建築士(受験資格)
■二級建築士(受験資格)
■木造建築士(受験資格)
■建築設備診断技術者(受験資格)
■コンクリート技士(受験資格)
■コンクリート主任技士(受験資格)
■コンクリート診断士(受験資格)
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■土木施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
■造園施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や、卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は、2025年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●アドバンスホーム ●石本建築事務所 ●NTTファシリティーズ ●鹿島建設 ●川崎市 ●隈研吾建築都市設計事務所 ●神戸市 ●資生堂 ●清水建設 ●積水ハウス ●大成建設 ●大和ハウス工業 ●デロイトトーマツコンサルティング ●東急不動産 ●東京ガス ●日建設計 ●日本設計 ●東日本電信電話 ●フジタ ●フジヤ ●北海道ガス ●三重県 ●YKKAP ●LIXIL
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キーワード
(「北海道大学工学部のすべて 2025-2026」より抜粋)