(「北海道大学工学部のすべて 2021-2022」より抜粋)
Introduction
心まで伝わるような,情報技術を実現しよう。
音声や音楽などを人間のように理解するマルチメディアシステムや,
人間と会話ができるコンピュータ。
明日のコミュニケーションを豊かにしてくれるテクノロジーを目指して。
先端技術で,メディアとネットワークの未来を創る。
今日の世界は,ICT(InformationandCommunicationTechnology:情報通信技術)が産業,環境,文化,教育など,人間のあらゆる活動分野の基礎となっています。 携帯電話,インターネット,光通信,コンピュータゲーム,電子政府など多くの実用例があり,急速かつ劇的な発展を続けるICTは, 未来の社会を左右する重要な研究テーマです。
コミュニケーションを支える新しいテクノロジーを。
「Information」の表現である,声,文字,画像などのメディア情報処理,「Communication」を行うモバイルネットワーク,光ネットワークの構成技術などについて,科学的な基礎理論から工学的な最新応用技術まで幅広く学ぶコースです。目指しているのは,生活のさ まざまな場面で役立つ新しいテクノロジーの創出です。
カリキュラムの特徴
近未来の先端技術分野の技術開発を担う人材を育成。
本コースでは,文字や音声,音楽や画像などのメディア情報処理と,世界中のメディアをつなぐモバイル・光ネットワークの両方について, 基礎理論から高度な応用技術までを学びます。 エレクトロニクス基礎と情報基礎を両輪として,より専門性の高いネットワーク基礎と情報メディア基礎科目へスムーズに移行できるようにしています。 これにより,幅広い能力を習得した後,メディアネットワーク実験で実践力を身に付け,卒業研究で問題解決能力を養うことで, 科学的な基礎理論から工学的な最新応用技術にわたる幅広い能力を持った人材の育成を目指しています。 身に付けた能力により,研究開発,製造,工業経営管理,教育などさまざまな職域で指導的立場として活躍できます。
コース カリキュラム
1年次 (総合教育部)
- 【全学教育科目】
- ●教養科目(文学,芸術,歴史等) ●外国語科目 ●基礎科目(数学,物理,化学,生物) ●情報学 など
2年次
- 【学科共通科目・コース専門科目】
- ●応用数学I・II・III ●情報理論 ●計算機プログラミングI・II ●信号処理 ●コンピュータ工学 ●線形システム論 ●電磁気学 など
3年次
- 【コース専門科目】
- ●サイバーコミュニケーション ●音声メディア応用論 ●ネットワーク構成論 ●画像処理応用 ●通信システム ●コンピュータグラフィックス ●メディアプログラミング ●ディジタルネットワーク など
4年次
- 【コース専門科目】
- ●卒業研究 など
大学院情報科学院 情報科学専攻 メディアネットワークコース
- 【修士課程・博士後期課程】
- ●自然言語処理学特論 ●メディア創生学特論 ●メディア表現論特論 ●情報メディア環境学特論 ●ネットワークシステム特論 ●ワイヤレス伝送・環境電磁特論 ●フォトニックネットワーク特論 ●適応コミュニケーション特論 ●ユビキタスネットワーク学特論 ●メディアネットワーク社会学特論 ●メディアネットワーク特別演習(修士課程) ●メディアネットワーク特別研究(博士後期課程) など
学生の声
安全な次世代通信技術で人のこころをつなぐ
5Gや6G,AIoTなど,新たなワイヤレス技術による社会のあり方の変化・発展は,今後益々加速していくと考えられます。 私は,次世代ワイヤレス技術と人の関係,特に電波の安全性評価技術についての研究に取り組んでいます。 今後どんなに技術が進化しても,電波がつなぐモノ,その先には人がつながっていることに変わりはありません。 電波の安全性を守る研究は我々の生活,社会における安心へとつながるもので,そこに使命感とやりがいを感じています。

情報エレクトロニクス学科 メディアネットワークコース4年 (富山県富山高等学校出身)
大学院生の声
未来のマルチメディア技術を考える
現在,Webやスマートフォン上に存在する画像・映像など(マルチメディア)のデータ量は日々増加しており,様々なサービスに利用されています。 では,10年後,20年後,マルチメディアはどのように活用されているのでしょうか?そのような興味・関心を基に, 生活を豊かにする次世代技術を創出することが私の研究です。 自身で考案した技術を先生方と共に深く検証・考察することが可能であるため,充実した環境で研究活動に取り組めています。

大学院情報科学院 情報科学専攻 メディアネットワークコース 博士後期課程1年 (東京都東亜学園高等学校出身)
卒業生からのメッセージ
北大での経験を糧に通信社会の未来を創る
私はKDDI株式会社にて,5Gの新技術導入の企画や無線通信技術の標準化活動に携わっています。 これまでモバイル通信は高速・大容量化を遂げてきましたが,5Gでは大容量に加えて,低遅延・高信頼性の実現が期待されています。 この実現には様々な要素技術の積み重ねが不可欠で,世界各国の通信関連企業が参加する標準化会合(例:3GPP)で議論を重ね,共通仕様の策定が必要となります。 こうした場での意見入力に加え,会社の事業戦略や次世代通信を見据えて技術要件を企画するためには,幅広い知識とやり抜く力が必要です。 私は北大で学んだ無線通信の基礎から応用の知識,また,その知識を生かして研究成果を導き出す過程で得られた経験は, モバイル通信の分野で企画や標準化業務を担当する上で不可欠だったと感じています。 北大では他にも研究室やサークルを通じたチームワークの重要さなど様々な経験ができます。皆さんも未来に向けた様々な経験をしてみませんか。

KDDI本社にて
KDDI株式会社 モバイル技術本部 次世代ネットワーク開発部
2015年3月 大学院情報科学研究科メディアネットワーク専攻 修士課程 修了
こんな人におすすめ
コンピュータを使ってさまざまなアルゴリズムやプログラムを開発したいと思っている人。 光や電磁波/電磁界の不思議さに惹かれ,その解析や安全性を研究してみたい人を求めます。 SF映画に出てくるような画期的な通信装置や立体映像を研究したい,実物と間違えるほどきれいなCGを研究したい, 新しい情報サービスを実現して会社を作りたい,心と心を結ぶやさしいネットワークを作りたい,そんな大きな夢を持っている人。 コンピュータ,インターネット,携帯電話や次世代のマルチメディアの実現に興味がある人。 理科の実験や図画工作が好きな人には特におすすめです。

研究室
進路・資格
卒業後の進路
通信・情報・電気・電子関連企業(総合電機メーカーや通信事業会社)を中心として,自動車関連企業,ソフトウェア企業,研究所などに就職し, 研究開発者やシステムエンジニアとして活躍しています。
取得可能な資格
■高等学校教諭一種免許状(数学・理科・情報)
■第一級陸上無線技術士(試験科目一部免除)
■第一級陸上特殊無線技士
■第三級海上特殊無線技士
■建設機械施工管理技士(受験資格)
■建築施工管理技士(受験資格)
■電気工事施工管理技士(受験資格)
■管工事施工管理技士(受験資格)
※資格の取得には指定科目の修得や,卒業後に実務経験が必要なものもあります。
産業別就職状況

※産業別就職状況・主な就職先は,2021年3月卒業者・大学院修了者を集計したもの。
主な就職先
●NTTコミュニケーションズ ●NTTドコモ ●KDDI ●コーエーテクモゲームス ●ジープラ ●JIG-SAW ●シリコンスタジオ ●SCREENアドバンストシステムソリューションズ ●丹青社 ●Chatwork ●デジタルプロセス ●東海旅客鉄道 ●日鉄ソリューションズ ●日本電気(中央研究所) ●日本電信電話 アクセスサービスシステム研究所 ●日本放送協会(NHK) ●野村総合研究所 ●ビー・ユー・ジーDMG森精機 ●東日本電信電話 ●日立製作所 ●北海道警察情報通信部 ●北海道テレビ放送 ●三菱電機 ●室蘭工業大学 ●楽天グループ
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