本グループは北海道大学環境工学コースに属しています。入学を希望する方はココをクリックしてください。

 Home>教育>環境工学>嫌気性処理

電子受容体

生物が呼吸に使う物質を電子受容体という。
電子受容体としてよく使われる物質にはO2、NO3、NO2、Fe3+、SO42–、CO2、がある。この順序には意味があり、左から、同じ電子供与体を利用(=酸化)した場合に得られるエネルギーが高い順に並べられている。すなわち、酸素は最も効率よくエネルギーを生産できる電子受容体である。

嫌気条件(環境)

好気条件(環境): O2がある条件(環境)。
無酸素条件(環境):O2はないが、NO3(またはNO2)がある条件(環境)。
嫌気条件(環境): O2、NO3、またはNO2)がはないが、NO3(またはNO2)がある条件(環境)。

嫌気性処理

嫌気条件下で行う微生物を用いた水処理法。
処理対象廃水の種類:食品工業(ビール、漬物、砂糖)、水産加工、アルコール製造、紙製造、染色工業など。
特徴:発生源により大きく成分が異なるが、共通しているのは有機物濃度が高いこと。

嫌気性処理のメリット

汚泥発生量が少ない=汚泥処分コストが低い
栄養要求量が少ない
省エネルギーである(曝気の必要がない)
メタンガス(エネルギー)が生産される
より高濃度の廃水を処理できる
好気処理では分解できない物質を分解できる

嫌気性処理のデメリット

微生物の増殖が遅い
スタートアップが遅い
悪臭
アンモニアが除去できない
低濃度廃水処理時には処理効率が悪い
放流基準を満たせない場合がある
加温(35℃)する必要がある

授業スライド