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分析化学-13

光学的分析

光とは

電磁波の中の可視光、およびその近傍の波長を持つ電磁波。
波動と粒子、両方の性質を持っている。

光学的分析

紫外領域や可視領域(波長380nm~780nm)の電磁波(=光)スペクトルを用いた分析。波長 と エネルギーは半比例の関係がある。(「授業で用いたPPT」参照。)吸収したエネルギーを波長(すなわち色)の情報に変換できる。 このため、光は多様な化学的分析に用いられている。

光の吸収と励起

分子は、電子の配置、振動、回転に基づくエネルギーを持っている。通常の環境では分子は安定した状態(基底状態)にある。分子はエネルギー(ここでは光エネルギー)を与えられると高エネルギー状態(励起状態)になる。
車のスピードを考えると、アクセルを踏めば踏む程、車のスピード(運動エネルギー)は連続的に上がって行く。
分子による光エネルギーの吸収はこのようにはならない。分子は特定のエネルギー(特定の波長)をもつ光しか吸収しない。
以下をイメージするとより分かりやすいかもしれない。
吸光光度計である物質に紫外可視光を長波長側から低波長側に連続して照射して行く。これは、車の例えでは徐々にアクセルを踏んで行く事に相当する。光を当てられた分子は全ての光を吸収する訳ではない。ある一部のエネルギー=波長を持つ光のみを吸収するため、吸収スペクトルは一つまたは複数のピークを持った形状となる。具体例はこちら
測定対象物質に特有の吸収波長を知っていれば、未知の液体サンプルに測定対象物質が入っているか否か、分析できる。

ランバート-ベール(Lambert-Beer)の法則

これまでに、測定対象物質を吸収波長から検出できる事を学んだ。吸光光度法では測定対象物質を定量する事もできる。
光を当てられた溶液中の物質の濃度と光の吸収量には相関がある。
この現象を表した関数がランバート・ベールの法則である。この法則から、照射された光強度に対する透過した光強度の割合の対数が、溶液の厚さ、溶液の濃度、物質に特有の光吸収量で決まる事が理解できる。