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分析化学-14

クロマトグラフィー

分離の必要性

環境サンプルは多種多様な成分を含んでいるため、環境サンプルを分析する場合にはできるだけ分析対象物質以外の物質(夾雑物)を取り除く事が望ましい。
夾雑物の除去には、夾雑物と分析対象物質の性質の違いを利用する。性質には、サイズ、荷電、疎水性親水性(極性)などが挙げられる。
分離法の例
溶媒抽出:有機溶媒と水など、2種類の溶媒の極性の違いを利用し、水サンプル中の疎水性の物質を有機溶媒側に移す。キーワード:水オクタノール分配係数
固相抽出:水サンプル中の各成分の、固相との親和性(なじみやすさ)を利用し、水サンプル中の各成分を時間差で分離する。親和性はファンデルワールス力、静電的相互作用、水素結合、吸着、イオン交換、サイズ(サイズ排除)の違いによって決まる。

クロマトグラフィー

固相抽出の一つ。カラムと呼ばれる管に固形物を充填する。カラムに液体またはガスを一定流量で流す。前者を液体クロマトグラフィー、後者をガスクロマトグラフィーと呼ぶ。カラムを流れる液体やガスを流動相と呼ぶ。カラムの出口には検出器がついている。数十分移動相をカラムを通して検出器に流す。検出器から得られる信号(シグナル)が安定したことを確認した後、微量の液体(またはガス)サンプルをカラムの前から投入する。サンプル中の各成分は移動相と混ざり、移動相の流れに乗って固定相の隙間をぬいながらカラムの中を流れていく。各成分の固定相に対する親和性によって、カラムから出てくる時間に差が生じる。カラムから出てきた各成分は検出器で測定される。各成分の量に応じてシグナルが変化するので、前もって検量線を作成しておけば、各サンプルの量を定量できる。
カラムで分離せずにサンプルを直接検出器に投入すると、全成分の総濃度がシグナルとして検出される。クロマトグラフィーでは、検出器には各成分を見分ける能力(選択性)はないが、クロマトグラフィーと併用することで、サンプル中に「何が(定性分析)」、「どれだけ(定量分析)」入っているか、を分析できるようになる。
分配比
 固定相中の量/移動相中の量。分配比が大きいほど後に出てくる。
ピーク(山の頂点)
 測定物質に対する検出器出力の最大値(濃度を求める際は面積を使う。遅く出てくるものほどピークがブロードになるので、高さは使えない。)
保持時間
 試料注入から検出されるまで(ピークまで)の時間。
クロマトグラフィーはあくまで分離の技術、実際に分析するのはその後の検出器 。
種類
移動相の違いで分けると:ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー

ガスクロマトグラフィーの検出器の種類
 熱伝導度検出器(thermal conductivity detector:TCD):内蔵されたタングステンフィラメントに電気を流し、測定対象物質が流れてくることで変化するフィラメントの電気抵抗(これに伴い変化する電圧)を測定。測定可能物質:無機物質(H2、N2、O2、CO、CO2、N2O)
 フレームイオン化検出器(flame ionization detector:FID):有機化合物を燃焼するとイオン性の燃焼物を生成することを利用し、このイオンを電極で補足。測定可能物質:有機物質(アミノ酸、ガソリン成分、揮発性有機化合物(VOC)、プラスチック成分、など多数)
 電子捕獲型検出器(electron capture detector:ECD):測定対象物質が移動相から電子を捕捉しイオン化する。検出器では放射性同位元素ニッケル-63がβ線が出ており、測定対象物質と衝突し、電子が放出する。この電子の量(電流)を測定する。測定可能物質:ハロゲン、カルボニル、ニトロ基を持つ物質(有機塩素化合物、トリハロメタン、殺虫剤、PCB)