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分析化学-3

環境問題とは何か

環境問題は元素循環の乱れに起因する。

元素循環:ある元素に着目する。地球上の化合物は様々な反応により様々な化合物へと形を変える。しかし、化合物中の原子は通常形を変えない。この化合物(仮に化合物Aとする)中の原子は、様々な反応を経て化合物としての形(分子式)は変化するが、いずれは元の化合物Aに戻り、これを構成する原子となる。すなわち、地球上の原子一個は時間的にも空間的にも循環している。これを元素循環という。
環境工学において重要な元素:C、N、P、S、Fe、Si
すなわち、地球上にはC循環、N循環、P循環・・・が存在する。
例:多くの研究者は地球温暖化は大気中のCO2濃度の増大に起因していると考えている。すなわち、地球温暖化はC循環の乱れに起因している。
閉鎖性水域の富栄養化は窒素化合物やリン化合物濃度の増大に起因している。すなわち、富栄養化はN循環またはP循環の乱れに起因している。
物質循環を学べるサイト
広島大学大学院福岡先生のHP
環境省website
環境問題を考える上で、私は以下のようなスタンスを取っている。
自然は極めて複雑なシステムであるため、現在の科学で(おそらく今後も)完全に理解することはできない。よって、完全にコントロールすることもできない。 このような立場に立つと、例えば、地球の将来に関して「CO2濃度が増大すると地球が温暖化する」といったような単純な結論は導くことはできない、という考えに至る。
さらに言いたいのは、これは私のスタンスであって、特に環境問題に関しては、環境問題のメカニズム(原因)や解決策には完全な正解はない、ということである。上述の「環境問題は物質循環の乱れに起因する」も私の現在での結論であって、正解ではない。あくまでも個々人が自らできるだけ多くの情報を収集し、自ら解を見つけるしかないと思っている。
このような態度の重要性と、具体的な実践に関しては、
二酸化炭素温暖化説の崩壊 ISBN: 4087205525
が参考になる。