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平成29年度 北海道大学大学院工学研究院公開講座
“かたち”に秘められた力
私たちの身近に存在する様々な現象は,ミクロな領域,マクロな領域など立場を変えて眺めてみると様々異なった面白い側面を見せてくれることがあります。この講座では物質などを詳細に調べたり,あるいは高度に制御することで新たな工学的価値を生み出したりするための最先端の技術をわかりやすく解説します。
札幌市北区北13条西8丁目 北海道大学工学部B11講義室(B棟1F)
第1回 10月25日(水)
耐酸化と高温強度を両立させた究極の分散強化合金
-原子力発電の安全を目指して-
工学研究院 鵜飼 重治 特任教授
福島第一原子力発電所で炉心溶融が起きた原因は,燃料被覆管に用いられているジルコニウム合金が高温水蒸気と反応して莫大な熱を発生したためです。 合金表面にアルミナ被膜を生成して,高温水蒸気との反応をシャットアウトするとともに,合金内部にナノサイズの酸化物粒子を生成して事故時でも壊れない究極の合金を紹介します。
第2回 11月 1日(水)
もっと高い温度へ
-超高温用金属基材料の追求-
工学研究院 三浦 誠司 教授
化石燃料・水素燃料を問わず,燃やしてエネルギーを取り出す際に燃焼温度を上げると効率が上がります。現在の燃焼温度は既に1500℃を大きく越えていますが,主軸の材料(ニッケル基合金)は1350℃で溶けてしまいます。耐えられる温度(耐熱温度)を上げるための研究ストラテジーを紹介します。
第3回 11月 8日(水)
高分子の「かたち」に秘めた可能性
工学研究院 山本 拓矢 准教授
これまで高分子の「かたち」は直鎖状や分岐鎖状に限られていました。しかし,近年の合成技術の発展によって環状に代表される興味深い「かたち」の高分子が作られています。このようなトポロジカル高分子を利用することで,今までになかった新奇材料開発への可能性を紹介します。
第4回 11月15日(水)
結晶と分子のかたち
工学研究院 猪熊 泰英 准教授
私たちの身の回りにあるものには様々な形の分子が含まれています。名前を聞いたことはあっても,それらがどのような形をしているか,どのように調べるのかは一般にはあまり知られていません。分子の形を知る方法として,単結晶X線構造解析という手法の簡単な原理と,様々な分子の形,そして,最先端の手法を紹介します。
第5回 11月22日(水)
光の織り成す様々な世界
工学研究院 山根 啓作 准教授
私たちの日常の生活は切っても切り離せない”光”。1960年のレーザーの登場によって光科学は長足の進歩を遂げました。本講座では色だけでなく,偏り,波面などの光の持つ性質について触れながら,それらの時間的なかたちや空間的なかたちを制御することで生成される極限的な光や奇妙な性質を持った光を紹介します。
対 象 | 一般市民 |
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定 員 | 100名 |
受 講 料 | 3,000円 (配付資料代を含む) ※ 特定の講義の受講は、1回1,500円です。 |
募集要項 | PDFファイル(290KB) |
募集期間 | 平成29年9月22日(金)~ (土・日・祝日を除く) |
申 込 先 | 〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目 北海道大学工学系事務部教務課(学生支援担当) TEL: 011-706-6707/FAX: 011-706-6141 E-mail: k-gaksei@eng.hokudai.ac.jp |