【Academic Fantasista 2024】応用量子科学部門の松浦妙子教授が札幌新川高等学校、札幌北高等学校で出張講義を実施

応用量子科学部門の松浦妙子教授が、北海道大学のAcademic Fantasista(アカデミックファンタジスタ)事業の一環として、2024年11月6日(水)に市立札幌新川高等学校、2025年1月22日(水)に北海道札幌北高等学校で出張講義を実施しました。
2024年度は、工学研究院から4名の研究者がAcademic Fantasista事業に参加しました。
■「陽子ビームを使ったがん治療」
がん治療は、手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤など)が三大治療法といわれています。松浦教授はそのなかで、理工学的観点から、陽子ビームを用いた放射線治療の研究開発を行っています。陽子線は、特定の深さで最大のエネルギーを放出し、その後はほぼ消失するという特性があります。このため、周囲の正常組織への影響を抑えて治療できるというメリットがあります。
講義では、体の外からは見えないがんの位置をどのように把握し、動く臓器にあるがんをどのように狙うのかについて、陽子線の性質とあわせて解説しました。さらに、狙った部位にビームが正確に届いたことを確認する方法など、開発中の最先端技術についても紹介しました。
講義に参加した生徒たちからは、「工学と医療という2つの分野の関わりについて知ることができ、ひとつひとつの研究分野が独立しているわけではないと分かりました」、「がん治療に対して、患者に優しく体への影響を最小限にと研究されているのが伝わり、工学分野に興味がわきました」といった感想が寄せられました。

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日 時:2024年11月6日(水)
1回目 13:05~14:05
2回目 14:45~15:45
会 場:市立札幌新川高等学校
参加生徒:1-2年生 1回目 37名、2回目 37名
日 時:2025年1月22日(水)
15:50~17:20
会 場:北海道札幌北高等学校
参加生徒:1-2年生 34名
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Academic Fantasista(アカデミックファンタジスタ)とは
北海道大学では内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと、研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生たちに伝えるAcademic Fantasista(アカデミックファンタジスタ)事業を実施しています。
詳細については、北海道大学の研究を発信するウェブマガジン「リサーチタイムズ」をご参照ください。
■【Academic Fantasista 2024】今年度は29名の研究者が知の最前線を伝えます
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