ガールスカウトと共催でSTEAM教育体験イベント「ロボティクス」を実施

大学院工学研究院とガールスカウト北海道第17団の共同主催で、2025年4月27日(日)、STEAM教育体験イベント「ロボティクス」を実施し、小学生から高校生までの20名が参加しました。
本イベントは、女子小中高生へ工学の魅力を伝えることを目的とした「北海道大学工学部創立100周年記念事業 エンジニアリング・アクションプログラム」の取り組みの一つとして実施したものです。
ガールスカウトでは科学・技術・工学・芸術・数学を融合させたSTEAM教育を推進しており、体験型のプログラムを通して少女たちの好奇心や探求心を育み、将来社会で活躍できる女性を育成することを目指しています。理系・文系といった枠にとらわれず可能性を広げる体験を提供することを目的として、大学院工学研究院と連携し、今回のイベントを実施しました。
講師を務めた東藤正浩 教授(工学研究院 機械・宇宙航空工学部門)が所属するバイオメカニカルデザイン研究室では、生体機能の補助や代替による医療・福祉支援を目的とし、力学的な視点から、人体と協調して機能する材料、構造およびシステムをデザインすることを目指しています。
今回のイベント「ロボティクス」では、ロボットの仕組みを学び、歩行の原理を理解してもらうこと、ものづくりの楽しさを知ってもらうことを目指し、リンク機構という機械要素の製作実習と作動実験を行いました。

東藤教授がロボットの仕組みについて説明を行った後、参加者はドライバーを手にロボット製作を体験しました。
今回製作実習で使用したのは東藤教授の研究室で製作したオリジナルのキットです。テオ・ヤンセン機構と呼ばれる、生き物の歩行を模倣するリンク機構を題材としており、3Dプリンターで作られました。
参加者は一人ひとりに配布された部品を机の上に広げ、数種類のパーツを組み立てていきました。

参加者がリンク機構を製作している間、別会場では保護者向けのミニセミナーを実施し、広報室長の渡部靖憲 教授(工学研究院 土木工学部門)が工学部の概要や進路について説明を行いました。また、ミニセミナーの後には実験施設や研究室を案内し、工学の研究の魅力を保護者に伝えました。


イベントの後半に行われた作動実験では、参加者一人ひとりが製作したリンク機構をグループごとにつなぎ合わせ、動物が歩いているような動作を観察しました。


ロボットの製作体験終了後、参加者からサポート役の職員・学生に質問をする時間が設けられました。
「これまで作ったロボットの中で作りがいがあったロボットは何ですか?」など次々と質問の声が上がり、和やかな雰囲気の中、製作実習をサポートした職員と学生たちが丁寧に質問に回答しました。学生の一人は「僕はものづくりが好きで工学部に入りました。みなさんもこれからいろいろなことに挑戦して、好きなものや得意なことを見つけてもらえたら」と参加者にメッセージを送っていました。
参加者は「ロボットの見方が変わりました。今までは、ロボットは工場にあってあまり関係ないものだと思っていたけれど、身近にもいろいろあるんだなと感じました」、「動くものを初めて作りました。いろんな人に手伝ってもらいながら完成して、達成感がありました」と話し、ものづくりの体験を楽しんだ様子が伺えました。

今年度の秋にはSTEAM教育体験イベント第2弾として、コンピューターの仕組みを学ぶ「バイナリー」の実施を予定しています。
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