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田口精一教授と松本謙一郎准教授が「ポリ乳酸完全生合成に関する研究」により平成28年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を共同受賞

田口精一教授と松本謙一郎准教授が「ポリ乳酸完全生合成に関する研究」により平成28年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を共同受賞しました。


表彰式 (左:松本謙一郎准教授,右: 田口精一教授)

田口教授と松本准教授は,微生物が産生するポリエステルの研究に長年取り組んできました。

このポリエステルは,糖や油などの再生可能バイオマスから生合成され,バイオベースプラスチックとして材料部材化が可能です。

また,環境中あるいは生体中で分解・吸収される特筆すべき機能を有しています。

本プラスチックは,石油由来のプラスチックに代わり,環境低負荷に合成される資源循環型の材料として注目されています。

一方,高性能材料として成型加工する上で脆弱な物性をどのように改善するかが課題でした。

この度の受賞研究では,天然のポリエステル合成系では実現不可能と思われていた乳酸ユニットが導入されたポリエステル「多元ポリ乳酸」の完全生合成系開発に成功しました。

成功の鍵となったのは,自然界には存在しない「乳酸重合酵素」の開発でした。

独自の人工進化プログラムを適用することで,微生物細胞内に生成する乳酸をワンポットで重合する機能を獲得し,その厳密な立体化学選択性により高光学純度のキラルポリエステルを合成できます。

この多元ポリ乳酸は,脆い物性が改善されしなやかな透明素材であるため,バイオマス由来高機能プラスチックの有力候補としての可能性が高まりました。

また,本受賞研究では,乳酸の重合に成功しただけでなく,そのポリエステル生産性の改良も達成しました。

乳酸ユニットは,当初はごく微量しか重合されませんでしたが,酵素進化工学や代謝工学を駆使し,適切な合成条件を設定することにより,飛躍的に生産効率を高めることにも成功しています。

以上のことから,本受賞研究の成果は,再生可能なバイオマスを原料として,高性能かつ高機能のバイオベースプラスチックを「オールバイオプロセス」で合成し,石油資源の節約およびCO2排出量の削減に大きく寄与することが期待されます。

平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

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