瀬戸口 剛教授が平成27年度文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞
瀬戸口 剛教授が,「風雪の影響を低減する都市設計シミュレーション手法の研究」により平成27年度文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞しました。
文部科学大臣賞表彰式写真
瀬戸口先生は、一貫して北海道をはじめとする北方圏の都市デザインに取り組んできました。従来、積雪寒冷都市における冬季の雪と風の影響は、都市設計ではあまり考慮されず、 雪の吹きだまりや強風を低減する都市空間は、全く明らかにされていませんでした。そのため、 冬季に雪の吹きだまりが形成される都市空間が、多く設計されていました。
この度の受賞研究では、風洞実験を用いた風雪シミュレーションにより、雪の吹きだまりや強風域が できにくい都市空間を導き出す、新たな都市設計手法と都市設計ガイドラインを開発しました。さらに、都市空間において想定される積雪量をもとに、除雪や融雪に要するエネルギー量と、それに伴うCO2排出量を明らかにし、環境負荷の低減にも貢献する都市空間を明らかにしました。
受賞研究により、稚内駅前地区市街地再開発ビル「キタカラ」が設計され、建築物周辺の屋外歩行空間において、雪の吹きだまりが形成されにくい建築施設および都市空間を実現しました。「キタカラ」北側の屋外歩行空間では、冬季の吹雪の影響が低減され、雪の吹きだまりが抑制され、稚内駅周辺の歩行者動線を確保しています。
受賞研究の成果は、冬季の屋外空間において風雪の影響を低減し、除雪に伴うエネルギー負荷とCO2排出量を削減できる、積雪寒冷都市の都市設計に寄与することが期待されます。