令和7年度 工学研究院若手教員奨励賞 - 受賞者の研究とコメント
北海道大学大学院工学研究院では、優れた研究業績を挙げた若手教員の研究活動を奨励することを目的として、令和2年度に「工学研究院若手教員奨励賞」を創設しました。
令和7年度は、4名の教員が本賞を受賞しました。
本記事では、受賞者から寄せられたコメントとともに、それぞれが取り組む研究内容をご紹介します。
雪みちの移動支援:冬期自動運転・先読み提供に向けたAIセンシングとデジタルツイン
土木工学部門 高橋 翔 准教授

「若手教員奨励賞」、誠にありがとうございます。これまでの皆様のご支援に感謝申し上げます。私は、情報科学が創出するAIやデータ解析の各種理論を工学分野に落とし込み、応用可能とすることで、多様な社会課題の解決に貢献したく、多々取り組んできました。近年は、本来必須であるはずの雪みち環境での自動運転やMaaSなどのモビリティが他環境で優先される現状を打開するため、各種センサ技術、気象予測技術、エッジコンピューティング、AI等を横断的に活用した「デジタルツイン」に取り組みました。交通・物流は市民活動にエッセンシャルであり、今後も雪みちでの移動支援に向けた方法論の導出や冬期に限らない地球規模の課題解決を志向した研究を楽しみつつ、後進育成に励みたいと思います。

機能性水素材料の開発と電子顕微鏡による材料の超顕微解析
附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター 中川 祐貴 助教

この度は若手教員奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。私は機能性水素材料の開発と電子顕微鏡による材料の超顕微解析という2つの研究テーマに取り組んでいます。前者のテーマでは全固体電池の固体電解質材料や水素貯蔵材料の開発、後者ではセラミックス、金属、水素材料など様々な材料を対象に、電子顕微鏡を用いた多種多様な観察を行ってきました。日頃よりご指導頂いている先生方、電子顕微鏡施設の技術職員の皆様、ご審査頂いた先生方に深くお礼申し上げます。今後も、様々なことに興味を持ちながら研究を楽しんでいき、グリーントランスフォーメーションの実現を目指して研究に邁進したいと思います。

動特性の不確かさと非線形特性を考慮したパワートレインのアクティブ振動制御
機械・宇宙航空工学部門 米沢 平成 助教

この度は工学研究院若手教員奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。
私はこれまで機械力学・計測制御の分野において、複雑な機械システムの高性能化や省エネを達成する制御系の開発に取り組んできました。具体的には、自動車のパワートレイン等を対象として、非線形特性や動特性の不確かさを考慮することで、ロバストな制御手法の確立を目指してまいりました。この度の受賞にあたっては、日頃よりご指導くださっている先生方、手厚いサポートをいただいております研究室や工学研究院の皆様、共同研究者の方々に心より深く感謝申し上げます。今後も産業界の課題を学術的に解決し、研究と教育を通じて社会に貢献できるよう精進してまいります。

環境低負荷な高分子材料の合成開発
応用化学部門 Li Feng 助教

このたびは、令和7年度工学研究院若手教員奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。プラスチックやゴムなど、私たちの身の回りにあふれている高分子材料の多くは石油資源を原料としており、分解されにくいことから環境問題の一因となっています。私は、「環境低負荷な高分子材料の合成開発」を主軸に、植物由来原料を用いた新規な分解・回収が容易な高分子材料の開発や、環境にやさしい有機触媒を用いた精密重合法の開発に取り組んでいます。今後も学術的な発展に加え、社会実装を見据えた研究に一層精進してまいります。

受賞された皆様、このたびは誠におめでとうございます。
北海道大学大学院工学研究院では、今後も次世代の工学研究を担う若手研究者の活躍を広く発信してまいります。

(前列左から中川祐貴 助教、高橋翔 准教授、幅﨑浩樹 工学研究院長、米沢平成 助教、Li Feng 助教)
※ 教員の職名と所属部門は受賞当時のものです。