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【Student Voice】飛行機、ヴァイオリン、そして就職活動――工学院での学生生活と研究について、スコット・セランドさんに聞く

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夢を目指しながら、充実した学生生活を送るとはどういうことでしょうか。この問いを軸に描かれているのが、北海道大学の新しいプロモーションビデオ「What is your North Star?」です。研究、クラブ活動、アルバイト、そして日常の人との関わり——本動画では、大学での時間を主体的に形づくる学生たちの姿が映し出されています。その一人が、撮影当時、工学院修士課程に在籍していたスコット・セランドさんです。修了後、2026年4月から日本企業への就職を予定し、社会人としての新たな一歩を踏み出そうとしているスコットさん。今回のインタビューでは、現役学生や進学を考えている方々にも共感していただけるような視点から、クラブ活動への関わり、研究経験、そして日本での就職活動について、より詳しく振り返っていただきました。

What is your North Star?【北海道大学公式PV】

[インタビュー]
―動画を見て、お友達はどんな反応でしたか?

知り合いの多くが動画を私に転送してくれて、「オーケストラに入っていたなんて知らなかった!」、「北海道大学にこんなに面白そうなクラブが沢山あるなんて知らなかった!」といったコメントをもらいました。

―ステージでの姿がとても印象的でした!クラブ活動について教えてください。北海道大学では、どのように入部するのですか?

クラブの勧誘は、通常4月から始まります。キャンパスのメインストリート沿いに、各クラブが一斉にポスターを掲示する期間もあります。また、クラブの一覧はこちらのウェブサイト[https://hubcnavi.net/]からも確認できます。

私が所属していたクラブはSNSでの発信も活発で、キャンパスでポスターを見かけたほか、Instagramでもフォローしていました。ただ、正直に言うと、入部の手続きは最初、少し分かりにくかったです。でも後になって、その理由が分かりました。オーケストラは、日本でいう「部活(ぶかつ)」にあたる活動で、気軽に参加できるサークル活動というよりも、かなり本格的なコミットメントが求められます。

オーケストラに入るには、オープンハウス、歓迎会、楽器の選定、師匠の割り当てなど、さまざまなステップがあります。これらは、オーケストラに入部する人が皆経験するプロセスです。大変に聞こえるかもしれませんが、心配する必要はありません。

クラブのメンバーはとても親切で、入部までの流れも丁寧にサポートしてくれました。私はInstagramで直接メッセージを送り、分からないことを聞いていました。興味のあるクラブがあれば、遠慮せずにメンバーに直接連絡してみてください。

スコット・セランド氏(ステージパフォーマンス)

―クラブ活動への本格的な関わりについて、もう少し教えてください。

練習は週4回、1回3時間ほどあり、全員が何らかの運営・事務的な役割も割り当てられていました。研究や勉強以外の時間の多くをクラブ活動が占めることになりますが、雰囲気はとても温かく、協力的でした。日本人学生が経験する学生生活に、どっぷりと浸かるような感覚でした。留学生にも、ぜひ北海道大学のクラブ活動に参加してほしいと思います。

―4月から就職されるそうですね。どのような会社にお勤めになる予定ですか?

私が入社する会社は総合エンジニアリング企業で、自動車・航空宇宙・ロボット産業向けの設計・開発・生産技術を専門としています。大規模な製造会社ではなく、主に他社へのハイテクサービス提供に注力しています。入社後の配属先は研修終了まで確定していませんが、現時点の情報では航空宇宙分野が中心となり、ロボット分野も一部関わる可能性があります。

日本の就職活動(就活)について、後輩へのアドバイスはありますか?

ご存知の方も多いと思いますが、多くの国と違い、日本では新卒採用がほぼ決まったスケジュールで行われ、3月に卒業し、4月に一斉に入社するのが一般的です。私は10月入学・9月修了だったので、今はアルバイトをしながら、入社までに少し余裕のある時間を過ごしています。

私の就活経験から伝えたいのは、カナダと日本の面接の違いです。カナダではインターンシップを探すときに何社も面接を受けたことがあって、聞かれること・求める応えがかなり異なったと感じました。

日本では「人物重視」で、「エントリーシート」で性格や経験について詳しく書く一方、面接では「苦労した経験」や「困難を乗り越えた経験」などが聞かれました。

私は、カナダと日本での経験や、勉強とクラブ活動の両方から、さまざまなエピソードを交えて話しました。例えば、一人でステージに立ってヴァイオリンを演奏する際の精神的なプレッシャーを、どのように乗り越えたかといった経験です。面接では、素直で正直な自分を表現できたと感じています。企業が重視している「努力する力」や「困難を乗り越える姿勢」は、頑張って日本へ留学してきた学生達が、十分にアピールできる点だと思います。一方、カナダでは、どちらかというとカリスマ性や、これまでの成果を積極的にアピールすることが重視されていたように感じました。

―動画では、カナダの大学とは研究スタイルが違い、より自主性が求められ、理論的な研究が多いと話していましたね。他にも違いはありましたか?

もう一つ大きな違いは、学生同士の協力に対する姿勢です。カナダでは、教授から個別に課題が与えられ、各自が自分の机に向かって一人で取り組むことが多かったです。一方、北海道大学の研究室では、日常的に研究内容を共有し、分からないことがあれば気軽に研究室のメンバーに相談することができました。テーマが近い学生同士が、自ら協力し合うこともよくありました。個人の成果よりも、「一緒に良い結果を出すこと」が重視されていたように思います。

―最後に、日本で工学を学ぶことについてどう感じていますか?

私の専門である機械・宇宙航空工学は、日本では非常に高いレベルにあり、北海道大学は、世界中で活かせる技術やスキルを学ぶのに最適な場所だと思います。それだけでなく、新しい視点や、日本ならではのチームワークや協働のスタイルを学べる点も、大きな魅力です。

大学院工学院を修了し、エンジニアとしての一歩を踏み出そうとしているスコットさん。研究に加え、クラブ活動にも積極的に取り組み、充実した学生生活を送ってきました。その魅力あふれる姿を、ぜひプロモーションビデオでご覧ください。

機械・宇宙工学専攻 計算流体工学研究室 メンバー

【工学研究院・工学院・工学部広報室員 SHMAKOVA NATALYA】

[プロフィール]
Scott Selland(スコット・セランド)さん 所属: 北海道大学 大学院工学院 機械・宇宙工学専攻 計算流体工学研究室 身分: 修士課程学生(2023年10月~2025年9月)/交換留学生(2022年6月~12月) 指導教員: 大島伸行 教授 研究テーマ:高マッハ数遷音速流れにおけるフラッター限界の変動解析 研究内容:
航空機がマッハ数に近づくと、翼に微小な振動が発生することがあり、これは「フラッター」と呼ばれます。フラッターは翼の破損につながる可能性があるため、安全性の観点から重要な課題です。本研究では、飛行速度の変化に伴って振動が発生する限界速度がどのように変化するのかを解析するとともに、翼形状が振動特性に与える影響を明らかにし、振動を抑制する最適な翼形状の検討を行っています。

英語版はこちら
English version is here:

[Student Voice] Airplanes, Violins, and Job Interviews: Scott Selland on Life and Research at Hokkaido University’s Graduate School of Engineering

■関連リンク

見ればきっと学びたくなる――北海道大学新プロモーションビデオを公開
https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/11/post-2121.html