特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.428 2022年04月号

工学を学ぼう

特集 02

生化学の力で人々の健康増進 The power of biochemistry promotes people's health

実験がうまくいかないときも「自身の成長、社会のため」

大学院総合化学院 総合化学専攻 応用生物化学研究室
2022年3月 修士課程修了
大正製薬株式会社
仲間 陸 

[PROFILE]

出身高校
静岡県立三島北高等学校
研究分野
生化学
研究テーマ
微細藻類由来DHA合成酵素の機能解析

人々の健康に関わる生化学

「化学で社会に貢献できる研究がしたい」、この思いで私は工学部応用化学コースへの進級を決めました。応用化学コースで有機化学・生化学・化学工学など様々な「化学」を学んでいくうちに、その応用分野の幅広さに驚きました。中でも人々の健康に携わる生化学について、より専門的に勉強・研究できる応用生物化学研究室に進みました。

菌由来の健康成分EPAを研究

修士時代には「健康成分であるEPAを遺伝子組換えによって菌に生産させよう」という研究に取り組んでいました。従来のEPAの供給源はサバ等の魚でしたが、資源保護等の観点から新たな供給源が求められています。その供給源を菌に変換する試みでした。実験では毎回予想通りの結果が得られるわけではなく、改善を重ねても上手くいかないことが多々あります。そういう時も「自身の技術・マインドの成長のため、人々の健康のため」という思いで日々実験に取り組み、課題を乗り越えました。

図1 研究室対抗ソフトボール大会で優勝 Figure 1 : Winning a softball tournament
図2 Polymerase chain reaction(PCR) 装置 Figure 2 : Polymerase chain reaction (PCR) device