特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.428 2022年04月号

工学を学ぼう

特集 03

なんで? どうやって? から新しいモノづくりと新発見 New materials and new discovery from hundreds of “Why?” and “How?”

自分の考えをもとに作ったモノで将来を豊かにしたい!

材料科学専攻 強度システム設計研究室
2022年3月 修士課程修了
株式会社LIXIL
橋本 菜々

[PROFILE]

出身高校
石川県立金沢泉丘高等学校
研究分野
材料強度学
研究テーマ
MAX相 Ti3SiC2を用いたキンク変形・強化原理の調査

「本当に穴があいている!」

研究生活で最初に「楽しい!」と感じたのは、自分が初めて作った材料を電子顕微鏡で観察した時のことでした。既存の論文を頼りに、「こうやればスポンジのように穴があくのでは?」と仮説を立て、炭化物粉末を使って作った材料を観察したら、実際に穴のあいている様子を観察することができたのです。「自分の頭で考えた結果、今まで世界で誰も作ったことのない材料が作れた!」という感動から一気に研究にハマっていきました。

ワクワクする工学の世界

自分の研究がすぐに世の中の役に立つとは言い難いですが、それでも必ず将来の研究の基盤になります。自分の考えをもとに実際にモノを作ることができて、それが未来の生活の豊かさにつながる。それが工学の醍醐味です。「世界で初めてあるモノを作った人になる」「自分の考えをもとに作ったモノで将来を豊かにする」ことに少しでもワクワクする人は、ぜひ工学の道に進んでみてください。

図1 実際に作った「穴のあいた材料」の電子顕微鏡写真(矢印で例示する箇所が穴) Figure 1 : SEM image of “material with pores” I made (the arrows indicate pores)
図2 研究室の集合写真 Figure 2 : Group photo of our laboratory