特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.428 2022年04月号

工学を学ぼう

特集 10

変わりゆく興味に素直に Be honest about your changing interests

海の生き物の力で新しい複合材料を作りたい

環境循環システム専攻
資源生物工学研究室
修士課程1年
黒滝 智子

[PROFILE]

出身高校
東京学芸大学附属高校
研究分野
資源環境工学
研究テーマ
機能性シリカ重合酵素を用いた有機-無機複合材料の作製

誰かの助けになる工学

私が工学部を知ったきっかけは、高校生の時に参加したオープンキャンパスで、量子ビームをがん治療に利用する講演を聞いたことでした。当時身近にがん患者がいたこともあり、研究の実現を願ったことを覚えています。人の役に立つ研究を行う工学分野に惹かれ、北海道大学へ入学しました。工学部では幅広い分野の研究が行われており、1年生の間に様々な選択肢に触れながら、自身の興味を引く学科・コースを探すことができました。

生物で資源環境にアプローチ

2、3年生では物理、化学、地学、数学を中心に学んでいましたが、生物を用いて環境・資源分野へアプローチする研究が目新しく今の研究室に入りました。現在は、海洋生物が持つ酵素の力を借りて、性質が全く異なる2種の材料を組み合わせた新規複合材料の作製を目指して研究しています。生物の知識はほとんどなく、研究室に入ってから学ぶことばかり。どれも研究に直結していて、吸収のしがいがあります。

図1 生物機能を使って作製する有機-無機複合材料とその応用 Figure 1 : Preparation of organic-inorganic composite materials by biological function and its application