特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.428 2022年04月号

工学を学ぼう

特集 04

自分の興味に忠実に Be true to yourselfs

宇宙からの簡単かつ安全な帰還を目指してカプセル開発に熱中!

機械宇宙工学専攻
計算流体工学研究室 & 宇宙輸送工学研究室
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所
宇宙飛翔工学研究系 山田和彦研究室
博士後期課程1年
高澤 秀人

[PROFILE]

出身高校
新潟県立新発田高等学校
研究分野
数値流体力学
研究テーマ
薄殻エアロシェル型再突入カプセルの空力安定性研究

見えないものを見ようとして

入学前は数学と宇宙に関わる工学の両方に興味があり、理学部と工学部とで迷っていました。決め手となったのはコンピュータで目に見えない流体の動きを解き、現象を理解する数値流体力学を知ったこと。数値解析することで実際の現象を数値的に再現し、実験では得ることのできない詳細な情報を取得できると聞き、改めて数学のすごさにとてもわくわくしたのを覚えています。そこから、数学を武器に工学的に戦うことのできるこの道に歩を進めました。

図1 数値解析から得られたマッハ数分布 Figure 1 : Distribution of Mach number from the results of the numerical analysis

北海道大学とJAXAの二刀流

工学的研究の醍醐味の一つは、研究成果が社会での応用に直接結びつくことだと思います。私の研究は宇宙からの帰還時に簡単かつ安全に飛行する方法を模索することです。いつの日か、自身の考えたカプセルが宇宙を飛行する日が来るかもしれません。JAXAの研究室にも所属しているため、北海道と神奈川を行き来したり、実験や解析を実施したりと東奔西走しながら充実した研究生活を送っています。

図2 JAXA宇宙科学研究所の遷音速風洞を用いた実験時の様子 Figure 2 : Photograph of the experiment in the transonic wind tunnel at the Institute of Space and Astronautical Science (ISAS) of the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA).