皆さんは「工学」という学問分野に対してどのようなイメージを持っていますか?
大辞林では、「科学知識を応用して、大規模に物品を生産するための方法を研究する学問」。
広義には、「ある物を作り出したり、ある事を実現させたりするための
方法・システムなどを研究する学問の総称」と説明されています。
確かに「工学」とは、人の役に立つためのモノ・システムを作る学問ですが、
本特集を読めば、実は驚くほど研究対象分野が広く、
皆さんにとってより身近な学問であることに気づいてもらえると思います。
〉〉〉 広大なフィールドをカバーする工学
本特集では、工学のなかでも“工学っぽくない”5分野を厳選し、きっとあのイチロー選手もビックリするであろう、工学の幅広い守備範囲を皆さんに紹介するものです。最初の記事では、社会インフラ投資計画が納税者の利益にかなうものかどうかを判断する「土木工学」について述べ、2本目は、「宇宙にある多くの恒星の表面はどのようになっているか?」という知的好奇心に応えるための「応用物理工学」を紹介しています。
〉〉〉 海岸、シェイクスピア、まちづくり
3本目は、ビーチロックの形成メカニズムに基づいて開発された土や岩を固化させる「資源生物工学」の技術について、4本目は、「流体力学」を用いてシェイクスピアの物語を可視化するという文理の枠を超えた共同研究についてです。最後は、住みたいと思うまちなみや風景を作り出す方法を開発・実践する「景観学」を取り上げています。工学の守備範囲の広さだけでなく、その面白さも皆さんにお伝えできれば幸いです。
(コーディネーター 内田 賢悦)