
データ融合技法に基づく動的交通制御システム
Dynamic traffic control system based on data fusion scheme
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人と地球に優しい21世紀、 |
北方圏環境政策工学部門 |
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[PROFILE] ◎研究分野/交通工学、交通流シミュレーション ◎研究テーマ/交通流の動的挙動、交通流シモデリング、冬期路面と交通流特性 ◎研究室ホームページ/http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/tra/
Takashi Nakatsuji:Professor
Laboratory of Transportation Intelligence ◎Research field:Traffic Engineering, Traffic Flow Simulation |
交通渋滞の交通流特性を分析
海外も注目の走行試験データ
交通渋滞にはさまざまな形態があります。過大な流入交通や交通事故などの突発事象、冬期の路面がツルツル状態などその原因は多種多様です。また、自動車はさまざまな属性や特性を有した人間によって運転されるためその心理的な影響が大きいだけでなく、さらには運転者の挙動は周囲の道路や交通の状況、天候や路面状態などの外部環境にも影響されるため、正確な交通状態を予測し交通情報として提供することは困難な課題となっています。
図1 冬期のツルツル路面での走行試験
(車の屋根にあるのがRTK-GPSアンテナ)
Figure 1:Driving tests on icy road surface using the vehicles equipped with RTK-GPS.
渋滞時の交通流特性を分析するには、高所からの交通流計測を行うだけでなく、運転者の加減速などの詳細なデータを得るために各車両に高性能GPS(位置精度1〜2cm、計測間隔20Hz)を装着した走行試験(図1)を行って渋滞波の伝搬などに関する基礎データの収集を行います。現在では、国土地理院の電子基準システムと携帯電話を利用し、一般の道路においても高性能GPSを用いた走行試験が可能となっています。本研究室が10台の車を用いて行った走行試験データは、北米や欧州だけでなく中国や韓国の大学や研究機関に提供され交通流解析の基礎データとして利用されています。
最新のITSが解決の切札
リアルタイムの交通情報を予測
交通流を計測するためには車両感知器やモニターカメラなど既存の計測データだけでは圧倒的に情報量が不足しています。近年一般化してきたGPS搭載車両の位置情報も活用するデータ融合技法に関する研究が行われています。
こうしたさまざまな計測データを組み合わせてリアルタイムの交通情報を予測するためには、①交通流シミュレーションの性能と②計測情報から必要な情報を抽出するフィルタリング手法の設計(フィードバック推定法:図2)が重要な役割を果たしています。本研究室では、交通流シミュレーションとして、個々の車の挙動を表現したミクロモデルや集合的に表現したマクロモデルを独自に開発しています。同時に、多様な車種構成や運転者の挙動表現に優れている市販のソフトウェアのAPI機能を利用したフィルタリング手法の設計に関する研究も行っています。
図2 データ融合に基づく交通状態のフィードバック
推定のフローチャート
Figure 2 : Flow diagram for the feedback estimate of traffic states
under data fusion scheme.

ITS(Intelligent Transport Systems) |
情報、通信、自動車、土木および人間工学の技術、知識、危険を融合し、事故、渋滞、環境に関わる問題を解決していくためのシステム。 |
最もエコなパワーソース、
それはディーゼルエンジン
エネルギー環境システム部門
応用熱工学研究室
教授 小川 英之データ融合技法に基づく
動的交通制御システム
北方圏環境政策工学部門
交通インテリジェンス研究室
教授 中辻 隆冬期つるつる路面を
市民の協働とIT技術で克服する
北方圏環境政策工学部門
建設管理工学研究室
准教授 高野 伸栄
燃料電池内現象解明と
将来自動車構成分析
エネルギー環境システム部門
エネルギー変換システム研究室
教授 近久 武美、准教授 田部 豊歩行者を自動車事故から
守るシステムの開発
大学院公共政策学連携研究部公共政策学部門(大学院工学院 北方圏環境政策工学専攻建設管理工学研究室 担当)
教授 萩原 亨