
学生コラム
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研究・活動紹介コンクリート中の水分子を探る環境循環システム専攻 [PROFILE] |
自然科学研究機構分子科学研究所(岡崎)の
国内最大出力のNMR ‘コンクリート中にある水’と聞くと、あんなに硬い石みたいな建設材料の中に水なんかあるの? と不思議に思われるかもしれませんが、実はコンクリートは1ナノメートル~1ミリメートルぐらいの範囲のさまざまな大きさの穴をたくさん持っていて、その穴を水が満たしています。そのなかでも最近、1~12ナノメートルぐらいのごく小さな穴に存在する水分子がコンクリートの性質に影響を及ぼしているのではないかと注目されてきており、さまざまな測定手法が考案されています。
私はその1~12ナノメートルの小さな穴に存在する水分子を、NMR(Nuclear magnetic Resonance/核磁気共鳴装置)を使って測定しています。NMRは磁力を用いた装置で、医療で使われるMRIと基本原理は同じです。この装置は一つ一つの原子核から放出される信号をキャッチするため非常に感度がよく、どんな大きさの穴に、どれくらいの水分子が、どのような運動の速さで存在するのか測定することが可能です。
コンクリートは身近にある分なんの面白みもない材料だと思われがちですが、まだまだ未知の部分が多く残されている研究対象です。私はNMRなどの先端技術を用いて、コンクリートのそういった未解明な点を解き明かしていきたいと考えています。
スケール別にみたコンクリートの構造
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インターンシップ報告未知の分野の経験が自分を成長させてくれた機械宇宙工学専攻
[PROFILE] |
研究室のメンバーとビリヤードへ
アメリカ合衆国の大学に4ヵ月間インターンシップに行きました。このインターンシップは、北海道大学工学研究科独自の機関であるCEED(工学系教育研究センター)を通して実現しました。プロジェクトは「多機能高分子膜材の開発」というもので、バックグラウンドのない私にとっては非常にタフで、時間のかかるものでした。しかし、この未知の分野の経験こそが刺激になり、自分を成長させてくれたと感じます。6カ国で構成される研究室のメンバー達には研究面、生活面において色々と助けてもらいました。彼らとの「言語・文化の壁」というものは、ほとんど感じませんでした。お互いに分かり合おうという意志、それだけが必要でした。休日は、彼らと一緒にNBA観戦、MLB観戦など楽しく過ごしていました。
大学は、自分の意志で自分の可能性を広げられる場所だと思います。このインターンシップで得た多くの経験を、今後の自分の人生に、そして日本の将来のために活かすことができるように今後も努力を続けます。