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第6回スケールモデリング国際会議の開催
~ISSM6@ハワイ~

主催者の一人である斉藤教授(ケンタッキー大学)による講演
主催者の一人である斉藤教授(ケンタッキー大学)による講演
 2009年9月13日~16日、米国ハワイ州カウアイ島において国際会議“Sixth International Symposium of Scale Modeling (ISSM-6)”が開催されました。ISSMはスケールモデリングの方向性や有用性について議論することを目的として開催されている会議です。スケールモデリング(模型実験)とは、実スケールの現象をそれよりも小さな、または大きなスケール(実現可能な範囲)にして再現することを意味します。スケールモデル(模型)を使用して実験することによって、原型と模型間の関連性の理解や実スケールにおける現象の予測、数値モデルでの計算結果の評価に用いることができます。これは工学全般に応用できる概念であり、ときには医学、気象学、生物学にも応用されています。
 上記のような工学全分野にわたるという特徴的な本会議は1988年の東京開催より発足し、引き続いて第2回が1997年にアメリカで行われました。それ以後、名古屋(2000年)、クリーブランド(2003年)、銚子(2006年)と3年毎に行われ、今回第6回目を数えています。主催者として北海道大学工学研究科の中村祐二准教授が代表となり、名誉実行委員長としてケンタッキー大学(アメリカ)の斉藤孝三教授と連名での開催となりました。主催団体としてはケンタッキー大学工業技術研究所(IR4TD)、また北海道大学工学研究科をはじめとした10を超える研究団体による後援または協賛協力を得ての開催となりました。1日目のオープニングセレモニーである立食形式の夕食会から和やかな雰囲気で始まりました。参加者は日本やアメリカ、香港の高等教育機関(大学または高専)、および研究所などから集まり、また千葉工科大学、ケースウェスタン大学(アメリカ)、名古屋大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校(アメリカ)から燃焼分野における世界的権威者らが招待されました。 受賞者を囲んでの集合写真
受賞者を囲んでの集合写真

 2日目、3日目に行われた会議では、北海道大学の永田晴紀教授、東京大学の土橋律教授による招待講演、その後熱流体・バイオ関連の研究者らから20分程度の研究発表が行われ、活発な意見交換がなされていました。また大学院生による発表も行われ、担当教員からの厳しい指導や英語での発表・質疑応答に緊張しながらも国際会議という場を経験することにより、よい刺激になっていたようです。
 4日目には研究発表の後、招待教員ら4人による特別講演が行われました。会議終了後には晩餐会が催され、主催者によるスピーチ、更には参加者の一員である小西忠司准教授(大分工業高等専門学校)によるマジックショーが行われるなど、交流を深める良い場となりました。晩餐会の終盤には授賞式が執り行われ、カリフォルニア大学サンディエゴ校のF.A.ウィリアムス教授、名古屋大学の竹野忠夫名誉教授に対してRichard Emori賞が贈られました。また、今回より発足したISMC Young Investigator賞が中村准教授に贈られました。
 この国際会議では、会議外でも参加者の間で活発な交流が毎日行われ、他大学の研究環境、考え方などを知るとても良い機会となりました。会議に参加することでさまざまなつながりができ、今後の学生生活にも大きな影響を与えるものと思います。
 次回開催のISSM-7は2013年、青森で開催予定です。
(機械宇宙工学専攻 修士課程1年 山田 雄一郎)

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「工学教育フォーラム2009
~工学教育における全人教育と国際性の涵養を考える~」を開催

三上研究科長によるあいさつ
三上研究科長によるあいさつ
 平成21年9月1日(火)、工学教育フォーラムを工学研究科、情報科学研究科、工学系教育研究センター(CEED)主催で開催しました。本フォーラムは今回が3回目で、ファカルティ・ディベロップメント(FD)の一環として企画し、副題のテーマに関連する講演を通して、工学系部局における教育のあり方について考えることを目的としています。
 今年度は5部構成で、まず、大くくり入試と工学部の課題についての講演があり、続いて8大学工学教育プログラム・グローバル化推進委員会の報告、CEEDの活動報告、FD2008の実施報告、大学院講義アンケートの調査報告がありました。
 当日は、教職員および学生約120名が参加し、本研究科等におけるFDの一環として有意義なフォーラムとなりました。本研究科等では、社会の変化に応じた教育のあり方を模索すること、そしてそれを実践することが、本学の評価と競争力の向上につながると考え、今後もこのようなフォーラムを開催していく予定です。
(教育企画室)

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「北海道大学工学系イノベーションフォーラム2009」を開催

フォーラム発表の様子
フォーラム発表の様子
 工学研究科および情報科学研究科では、平成21年9月18日(金)、東京ステーションコンファレンス(東京駅サピアタワー6階)にて、産学連携推進本部、工学部同窓会、東京同窓会および北海道立工業試験場の後援を得て「北海道大学工学系イノベーションフォーラム2009」を開催し、工学系21専攻のイノベーション技術を企業等の方々に紹介しました。
 地盤災害から守るための先端的計測と解析、海洋等流体中にはたらく力の可視化画像計測、移動時間信頼性評価のための交通解析、建築物の耐震性能向上などの「社会基盤技術」、稚内層珪質頁岩を基材とするデシカントフィルタ、ノロウイルスの水処理性の評価などの「住・生活環境技術」、弾性波整流デバイスの実現化、多数細胞のナノ計測、新規ゼオライトによる脱水フィルタなどの「ナノ・デバイス技術」、屋内位置測位システム、大規模データの知識インデックス化、新規マルチコアファイバなどの「情報エレクトロニクス技術」、旋回気泡噴流を用いた高効率攪拌、水素エンジンの高効率化などの「エネルギー高効率化技術」など、多方面にわたる最先端研究の紹介講演のほか、パネル展示会場では実験機器を用いた興味深い技術説明が行われました。フォーラムには約200名が参加し、フォーラム終了後に行われた交流会では「毎年恒例の事業として根付かせて欲しい」との感想が寄せられました。
(工学系連携推進部)

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「北海道大学工学部工学セミナー2009」を開催

高校生にメッセージを語る佐伯総長
高校生にメッセージを語る佐伯総長

 工学部入試広報室では、去る9月20日(日)釧路湖陵高校、また10月11日(日)には旭川市民文化会館において高校生を対象にした「北海道大学工学部 工学セミナー2009」を開催しました。釧路湖陵高校、釧路高専、旭川東高校、旭川西高校、旭川北高校から高校生・教員総勢約90名が参加しました。
 三上隆工学部長のあいさつに続いて、佐伯浩総長(旭川)が高校生へのメッセージを語りました。西口規彦教授(釧路)と馬場直志教授(旭川)が、工学と他の学問との違いや工学の社会への貢献について、身近な例を挙げ高校生にも分かりやすく説明しました。その後、4つの学科から各1名の教員が実験を交えてそれぞれの分野の研究紹介を行いました。最後に、釧路市内の高校出身の大学院生達が、大学生活や研究などの話の他、これからエンジニアとしてどのように社会に貢献していくかの夢についても真剣に語られました。また、旭川では、池田文人准教授(高等教育機能開発総合センター)より、平成23年度より実施される総合入試の概要についての講演を行いました。
 参加者は、熱心に聞き入り、講義後講師に質問を寄せるなど、工学への関心を深めたようでした。
(入試広報室)