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学生コラム

坪田 陽一 研究・活動紹介

きらりと光る努力の「結晶」

量子理工学専攻
量子ビーム応用計測学研究室
修士課程1年

坪田 陽一 Youichi Tsubota

[PROFILE]
◎出身地/北海道函館市 
◎趣味/自転車、回路設計、イベント運営
◎ひとこと/人生は計画的に、そして大胆に

実験の様子
実験の様子
 「放射線」と聞くとどんなことを思いますか? 放射線のことをよく知らないと「怖い」気持ちが先に出てしまいがちなのですが、正しく理解すれば大変有用であり、人の目では見えない物を見るために広く用いられています。その一つが医療用PETやSPECTの診断装置です。これらの装置は放射線を使って脳診断やガン検診を行うのですが、この装置にはシンチレータという物質が欠かせません。シンチレータという物質は放射線が当たると発光し、その性質を利用してわれわれが見ることのできない体内の情報を得ることができます。つまりシンチレータは放射線を検出する「目」の役割をするのです。
 私たちはこれまで、ガドリニウムパイロシリケート(GPS)という物質に注目し、研究を進めてきました。その研究の中でこの物質が大変高性能な「目」であることを発見しました。しかし性能はよいのですが、結晶の育成が困難というデメリットもまた存在します。私は現在SPECT装置への応用を目指してGPSの大型結晶育成と、発光性能の最適化の両面からアプローチをしています。
 学部4年生の時に初めてこの研究に携わり、それ以来大変楽しみながら研究をしています。結晶の合成は時間がかかりますが、かけた時間と努力の分だけ新しいことがわかってくる。それが魅力です。

結晶合成の様子
結晶合成の様子

南里 圭佑 インターンシップ報告

一歩外に出ることで見えてきたもの

応用物理学専攻
量子機能工学研究室
修士課程2年

南里 圭佑 Keisuke Nanri

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/読書、街中散策
◎ひとこと/いつも自分を磨いておこう。あなた自身が世界を見るための窓なのだから。

友人と一緒に
友人と一緒に

ブザンソン市内にある像
ブザンソン市内にある像

 修士課程1年の夏にフランス東部、歴史と芸術の豊かな街ブザンソンにあるフランシュコンテ大学FEMTO―ST研究所という所に約一ヶ月間インターンシップに行ってきました。滞在中は光リソグラフィとエッジングという方法による数ミクロンオーダーの微細加工技術に携わりました。
 会話は基本的に英語でした。フランスに行く前に勉強していったのですが当然のことながら力量不足で、微妙なニュアンスを伝えることができずにいつもI mean…(つまり)を多用していました。きっと研究室の人たちは僕のことを相当回りくどいやつと思ったことでしょう。もちろん辞書も何千回と利用しましたが、ある時ふと環境に対応するための手段として無意識にボディランゲージを多用して会話がスムーズに行えることに気づきました。
 実際にフランスへ行って、たくさんの貴重な経験ができましたが、一番の収穫はなんと言っても「さらなる好奇心」を持てるようになったことです。自分が未知の分野に初めて触れた瞬間というのはやはりワクワクするもので、一つきっかけができるとそこからさらに派生してどんどんおもしろいことを自分から探していけると思います。一つの枠にとどまることなく一歩外に出て見渡すことで、自分が今までに向かおうとしていた道の先に何があるかがはっきり見えてくるのは面白いですよ。

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