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高橋 駿人

■研究・活動紹介
コンクリートをミクロな視点で

環境フィールド工学専攻
環境機能マテリアル工学研究室

博士後期課程2年
高橋 駿人 Hayato Takahashi

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/野球
◎ひとこと/人生何を始めるにしても遅すぎることはない、私はそう信じています。

私たちの身の周りに、コンクリートはたくさん溢れています。橋梁、トンネル、ビル、今では海中でも利用されているほど重要な建設材料なのですが、そのありがたみを感じながら過ごしている人はどれだけいるでしょう?かくいう私も学部生時代は深い興味はありませんでした。砂利、砂、セメント、水を混ぜたら硬くなる、その程度の認識でした。しかし研究室に配属され色々な文献に触れるようになり、物理化学両面にわたり広く奥深い分野であることに興味を持ち、博士後期課程まで進むことを決意しました。

▲CT画像(左)と測定点における回折プロファイル(右)。
 主成分であるPortlanditeが劣化後に消失していることがわかる。

私の現在の研究においては、大型放射光施設のX線源を利用した「非破壊CT-XRD連成法」を用いてコンクリートを観察し、様々な劣化現象を明らかにすることを目標としています。本施設では、CT撮影によりなんと数ミクロンの解像度で三次元の位置情報を取得し、特定の位置に対してXRD測定(物質の同定ができる)を行うことができるため、ひび割れといった物理的な劣化のみならず、化学反応などによる劣化・変質も観察することが可能です。この新たな測定手法を用いてコンクリートに関する様々な劣化現象をミクロな視点で詳細に解明し、構造物の超長期安全性確保に寄与していきたいと考えています。

山田 諄太

■インターンシップ報告
中国留学
「近くて遠い国」ではなく
「近くて近い国」へ

量子理工学専攻
量子ビーム応用計測学研究室

修士課程2年
山田 諄太 Junta Yamada

[PROFILE]
◎出身地/北海道
◎趣味/ウクレレ、水泳、マラソン、英語、中国語
◎ひとこと/日本と中国は隣国として、あらゆるフィールドで関わりが深くなっていくと思います。留学を志す後輩には、欧米圏だけでなく中国にも目を向けて欲しいです!

▲西安の国際学会での一幕、学会後の食事会
 (私は右から三人目)。

昨年9月から5カ月間、中国北京の清華大学でインターンシップを行いました。研修内容は、建設されたばかりの加速器中性子源施設で得られる中性子ビームの性質を調べることで、そのための測定実験とデータ解析を行いました。加速器施設は大規模なので、測定実験の際は中国人学生や研究員の方々の助けをたくさん借りました。実習先での研究領域は北大と同じでしたが、専門に対する知見の幅を広げることができました。また、清華大学は中国のトップ大学なので、出会った学生はみな優秀で、中にはMIT(マサチューセッツ工科大学)帰りの学生もいました。別れ際には、そんな彼らと、「研究領域が同じもの同士、良き仲間、そして良きライバルとして刺激しあいながら研究を頑張ろう。そして国際学会で再会しよう」と約束しました。今後の研究活動に対する良いモチベーションになりそうです。

インターン以外の生活では、いろいろな人と出会う機会がありました。寮が留学生専用だったので、日本では絶対出会えないであろう北朝鮮人を含む、多彩な国の学生と交流する機会がありました。日本人サークルなどを通じて、多くの日本人学生との交流がありましたが、中には、日中の混血児や華僑、残留孤児の子孫など、様々なバックグラウンドを持った学生がいて、彼らとの交流を通して改めて日本人とは何かを考えさせられました。

今回の留学を通じて、言葉の壁や文化の違いはありましたが、共有する「人間的なリアル」を中国人から感じて、中国をより身近に感じるようになりました。