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学生コラム

■研究・活動紹介
希土類蛍光体で未来を照らしたい

総合化学院 総合化学専攻
先端材料化学研究室

修士課程2年
山本 昌紀 Masanori Yamamoto

[PROFILE]
◎出身地/埼玉県さいたま市
◎趣味/写真・旅行・朱印収集
◎ひとこと/何かをしたい! と思ったら即行動!! そして、心から良かったと思える体験を沢山して下さい。

図1▲希土類錯体の発光メカニズム  希土類はレアアース(rare earth)とも呼ばれます。自動車やスマートフォンなどの身近な先端製品には必ず何かしらの希土類が使用されています。レアと聞くと「希少な元素で資源的にとても少ないのでは?」と感じるかもしれませんが、希土類の埋蔵量は元素によって異なります。例えば、磁石材料に使われるネオジム(Nd)という元素は亜鉛と同程度の埋蔵量があります。また、赤色発光を示すユウロピウム(Eu)は400年以上使ってもなくならないと言われています。このように希土類は必ずしも希少な元素ではなく、未来社会を明るく照らす希望の元素なのです。
図2▲カメレオン発光体の温度変化による発光色変化  希土類元素の特徴として、他の元素や分子には存在しない特殊な電子軌道「4f軌道」があります。この4f軌道によって生み出される美しい発光(色純度の高い発光)は、ディスプレイや照明材料などに応用されています。これまで希土類から構成される発光体は、ガーネットなどの無機結晶中に希土類を入れたものが主流でした。それに対し、私たちの研究室では希土類と有機分子(配位子)から構成される新しい希土類発光体の研究を行っています。
 希土類錯体は、配位子部位を緻密に設計することで、発光特性を究極に高めることができます。これまでに、物理化学に基づいた精密な分子設計を施すことで世界一強く発光する希土類錯体や、温度によって発光色が変化するカメレオン発光体の開発に成功しています。

■インターンシップ報告
国境も限界も超える経験
〜海外インターンシップ

環境フィールド工学専攻
沿岸海洋工学研究室

修士課程2年
小柳津 遥陽 Haruhi Oyaizu

[PROFILE]
◎出身地/静岡県藤枝市
◎趣味/アウトドア・旅行
◎ひとこと/広い視野を持って物事に取り組んでください。

図1▲国際会議にて海外の研究者と交流  2014年10月~12月および2015年6月の計4ヵ月間、ベルギー北部のアントワープにある「Flanders Hydraulics Research(以下FHR)」でのインターンシップに参加しました。FHRは、ベルギーのフランダース地方における海岸整備・船舶航路計画など海洋に関する研究機関で、約130名の研究者・技術者が在籍しています。研修では、世界的な問題である地球温暖化に伴う海岸浸食の防止策に関する研究を行い、得られた研究成果の発表のためにオランダで行われた国際会議に参加し、各国の研究者との交流を深めることができました。
 毎週金曜夜には、FHRの方々や滞在していたシェアハウスの住民たちとバーに繰り出し、ベルギービールを片手に国籍や世代を超えた交流を深めました。休日は市内で買い物を楽しんだり、時にはドイツやオランダなどの近隣諸国へ足を延ばしたりと、日本とは異なる文化を存分に体験することができました。
 初めての海外生活、英語でのコミュニケーション等、多くの挑戦とそれを乗り越えた自信、それらを通して出会った人々との交流は、私にとってかけがえのない財産となりました。今後もこれらの経験を活かし、国境も限界も超えて活躍できるように頑張ります。

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