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学生コラム

■研究・活動紹介
スピントロニクスから生まれる
省エネコンピュータ

総合化学院 総合化学専攻
固体反応化学研究室

修士課程2年
髙橋 望 Nozomi Takahashi

[PROFILE]
◎出身地/埼玉県越谷市
◎趣味/ドライブ、野球
◎ひとこと/学部時代にもっと教養の勉強をしておくべきでした。

図1▲装置のメンテナンス中。  スピントロニクスという分野を知っていますか?おそらくほとんどの人は知らないでしょう(私も研究を始めるまで全く知りませんでした)。スピントロニクスとは、これまで電子の持つ「電荷」を制御してきたエレクトロニクスに加えて、電子の持つもう一つの性質、「スピン」も制御した新しい分野です。なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、要するに磁気を利用した電子デバイスを作ろうというものです。これによって、ハードディスクはメガ・ギガ・テラと次々と大容量の記録が可能になりました。
 パソコンで文書を書いている最中にコンセントが抜けてしまい、データが消えてしまったことはありませんか?スピントロニクスを用いたメモリを搭載したパソコンであれば、材料の磁気の向きによって記録しているためデータが飛んでしまうことはありません。また、記録を保持するための電流を流す必要がないので省電力です。

図2▲2種の強磁性体の磁化の向きによって抵抗が変わる。    私たちの研究室では、これらのハードディスクやメモリに使えそうな材料の探索を行っています。研究が始まって日の浅いスピントロニクス分野での材料探索は、日々新しい発見があります。今後は、スピントロニクスから生まれたメモリを搭載した省エネコンピュータに注目してみてください !

■インターンシップ報告
果てしない平原で始動する
世界初の大プロジェクト

工学院 環境フィールド工学専攻
水工・水文学研究室

修士課程2年
掛川 恵梨子 Eriko Kakegawa

[PROFILE]
◎出身地/神奈川県横浜市
◎趣味/旅、登山
◎ひとこと/想定外、想定以上の経験を得られるのが海外インターンシップです!

図1▲お世話になった中外テクノスの方々とモニタリング装置の前で。  2014年9月から1か月間、カナダのサスカチュワン州でのインターンシップに参加しました。K-Coal(韓国)からの派遣という形で中外テクノスの業務に同行させていただき、米国との国境の町Estevanと州都のReginaをメインに滞在しました。
 サスカチュワン州営電力会社Sask Powerは、石炭火力発電所においては世界初かつ最大規模の商用CO2回収貯留実証(CCS)プロジェクトを2014年10月より開始しました。中外テクノスは、このプロジェクトにCO2地上漏洩モニタリングシステムを提供しています。私は貯留実証地であるBoundary Dam発電所で、設置作業をはじめとするフィールド・ワークや通訳、セールスに関するミーティングなど幅広い業務に携わらせていただきました。現場は牛やウサギ、カエル、リスに蚊と様々な生物が共存する大自然の中で、度重なるトラブルにも見舞われましたが、今となってはそれも良い思い出です。
 滞在中は、中外テクノスの社員の方々とK-Coal社長をはじめ、Sask Power関係者を含む多くの方と交流する場を設けていただき、カナダの環境意識や本システムの展望など、新たな分野で知見を広める機会となりました。
 今回の貴重な経験を自分の将来に役立てるとともに、海外との研究交流やインターンシップ促進の一助となれるよう積極的に活動したいと思います。

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