卒業生コラム
生産視点の
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[PROFILE]
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高品質低コストを支える
生産技術
みなさんはLEDと聞くと照明や信号機、ディスプレー等を思い浮かべるのではないでしょうか?実は富士ゼロックスで製造しているプリンタの画像描写にもLEDを使用しています。A3用のLEDプリンタには1万個以上のLEDが使われており、その光で感光体上に画像を書き込んで紙に転写します。印字の画素数はLEDの数で決まるため、LEDはプリンタの高画質を支えるキーデバイスとなっています。
私はプリンタ用LEDの生産技術開発に携わり、新規生産ラインの立ち上げや品質改善を行ってきました。LEDなどの半導体はサブミクロンからナノオーダーの加工技術を必要とするため、所望の構造をいかにつくるかが重要であり、その工程を構築することが生産技術開発の仕事です。現在の業務についてから、製品の品質とコストに大きく影響を与える生産技術の重要性を知りました。自分が開発した工程で実際に製品が生産され、世の中に出ていくところを目にする、まさにモノづくりを実感できるのが生産技術開発の魅力です。
学生時代の経験を活かして
しかし、どんなに管理しても生産ラインでは予期せぬトラブルが発生するものです。私が担当した工程でも改善の必要に迫られましたが、その助けとなったのは学生時代に培った科学的思考でした。改善のヒントの多くは生産現場に隠されており、それに気付くことができたのは、自分で試行錯誤しながら実験した学生時代の経験のおかげです。自ら原因分析や仮説構築を行い、課題を抽出し、対策検討と効果確認までできることが私の強みとなっています。
設計から生産までの
効率化を担う人材へ
近年は製品の短命化や開発コスト削減のため開発スパンの短納期化が進んでおり、設計段階での品質の作り込みがますます重要となっています。入社6年目の現在では次世代LEDの設計も担当しており、製造工程を考慮した後戻りのない設計を行うことが私の役割だと考えています。設計者としては、まだまだ経験が浅く苦労の絶えない日々ですが、生産技術開発の経験を活かし、設計と生産の橋渡しとして活躍したいと考えています。