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「フロンティア応用科学研究棟」
落成式、落成記念式典、落成記念講演会を挙行

 6月12日(木)に、工学系団地内に設置されたフロンティア応用科学研究棟の落成を記念し、落成式、落成記念式典及び落成記念講演会を、同研究棟内で挙行しました。
 同研究棟は、平成22年10月にノーベル化学賞を受賞した鈴木章名誉教授(元工学部教授)の功績を継承し、後進を育成する目的で、研究・教育の拠点として工学系団地内に設置されたものです。地下1階、地上7階、塔屋1階のSRC構造で、建築面積1,752㎡、延床面積10,558㎡の規模を誇り、鈴木章名誉教授の所縁の品の展示スペースなどがあるホワイエ、鈴木名誉教授の名前を冠した「鈴木章ホール」などの施設が設置されております。
 同研究棟1階エントランスホールで開催された落成式では、関靖直文部科学省大臣官房文教施設企画部長、鈴木名誉教授、山口佳三総長、名和豊春工学研究院長、大熊毅フロンティア化学教育研究センター長によるテープカットなどが行われました。
 引き続き会場を2階鈴木章ホールに移して行われた落成記念式典では、山口総長、名和工学研究院長からの式辞の後、関文部科学省大臣官房文教施設企画部長から来賓祝辞をいただきました。
 同会場で落成記念式典に次いで行われた落成記念講演会(北海道大学及び公益財団法人杉野目記念会による共催)では、藤田誠東京大学大学院工学系研究科教授による「自己組織化によるナノスケール物質創成」と題した講演及び、鈴木名誉教授による「Cross-Coupling Reactions of Organoboranes: An Easy Way for Carbon-Carbon Bonding」と題した講演が行われ、同講演の招待者約170名の他、学生約90名が聴講しました。各講演後には質疑の時間が取られ、活発な意見交換が行われ、盛況のうちに閉会となりました。
(総務課)

▲落成式・テープカットの様子 ▲落成記念講演会の様子
(藤田誠東京大学大学院工学系研究科教授)
▲落成記念式典の様子(山口佳三総長) ▲ホワイエで取材を受ける鈴木章名誉教授

▲落成記念講演会の様子(鈴木章名誉教授)

Information

工学系部局なんでも相談室
─工学部の誰もが利用できる─

 長い人生にはいくつかの危機が訪れます。子どもから大人へと移行する思春期、学生から社会人へと移行する成年前期、そして40歳前後を境にした中年期。最近では人生をどのように終えるかを考える「終活」という言葉をよく耳にしますが、これも老年期前後の人生への不安やより良く生きたいと願う、危機への対処という見方もできるでしょう。
 こうした人間誰しもが成長の節目で迎える危機に加え、現代は多様なストレスに晒される時代です。それぞれの世代で迎える危機をストレスににらまれたまま動けずにいたり、ストレスそのものに押し潰されてしまったり、ストレスをうまくマネージメントできずにいると、生き生きとした活動ができず、時にはこころや身体に不調をきたすこともあります。
 工学系部局では、こうした心身の変化にうまく適応していけるお手伝いをすることを目的に、平成22年6月に工学系部局なんでも相談室を開室いたしました。工学系部局に所属する学生、教職員であればどなたでも利用することができます。ご相談内容は多岐にわたりますが、大まかに分類すると健康問題が40%、学生生活に関することが38%、職場の問題が7%となっています(数値はいずれも平成25年度)。
 「なんとなくやる気が出ないんですよね」、「自分の性格を変えたいんだけれど…」、「大学に入って急に目標を失ってしまってどうしたらいいかわからない」、「勉強について行けなくて…」といった、何が悩みなのかどうしたいのかははっきりしないんだけど大変なんだ、という訴えで来室される方は多く、そういう方の場合、気軽に相談できる友人がいなかったり、友人がいても表面的な付き合いだけで悩みを打ち明けたり愚痴をこぼすことはできないと思っていらっしゃることは少なくありません。また中には、そういった悩みを少しこじらせてしまい不登校や引きこもりといった不適応状況にあったり、メンタルヘルス不調に陥っている方も見受けられます。近年の職務と職責の細分化・専門化・高度化の流れの中で、業績を十分にあげることができずにいたり、それぞれの現場での人間関係に悩んでおられる方も多くおられます。
 平成25年度の相談室の利用状況を見てみますと、大学院生の利用が最も多く42%、次いで学部生の38%、職員13%、教員が7%という割合になっています。学部生の利用のうち4年生が半数以上と最も多く、また大学院生の利用のうち修士2年生の利用が38%と最も多いことから、学生から社会人への移行期に将来への不安や自信のなさから悩みを抱える学生の姿が浮かびます。またここ3年間の推移を見ると、学部2年生や3年生の相談も年々増加しており、この傾向は大学内の他の相談機関の利用状況でも同様に見られることから、総合入試導入以後の動向であることが示唆されます。当室では、こういった悩みに対する一般的な相談からメンタルヘルスに関わるような心理相談まで幅広くご相談に乗っています。
 相談は、まずはじっくりとお話しをお聴きし、それがどんな悩みなのかを一緒に考えることからスタートします。自分ではない誰かに話をすることで、物事を客観的に眺めることができるようになったり、問題の整理が進んだり、何より悩んでいたんだ、結構つらかったんだという気持ちを表現することで、ラクな気持ちになることも多いものです。ご相談内容の秘密は固く守られますので、お気軽にご利用ください。
(安全衛生管理室)