VOICE Square

卒業生コラム

佐川 瞬大

多視点からのものづくり

パナソニック(株)
アプライアンス社
キッチンアプライアンス事業部
炊飯器・IH技術グループ
IH設計チーム
主任技師

宗形 彩加 Ayaka Munekata
[PROFILE]
2006年3月 北海道大学工学部 材料科学専攻 卒業
2006年4月 北海道大学大学院工学研究科 材料科学専攻
入学(環境材料学研究室)
2008年3月 北海道大学大学院工学研究科 材料科学専攻 修了
2008年4月 パナソニック(株)ホームアプライアンス社
IHクッキングヒータービジネスユニット 入社
(現・アプライアンス社キッチンアプライアンス事業部)

「ものづくり」に興味を持った理由

 大学時代から、自分の能力や勉強してきたことを、地球の環境問題に少しでも活かすことができる職業に就きたいと考えていました。材料系の学問を勉強したのも、「モノ」が「材料」から成り、使用された「モノ」が最終的には「材料」となる物質へ還るプロセスを考えることが、より良い自然環境につながるという単純かつ漠然とした理由からでした。しかし勉強していくうちに、「材料」が「モノ」になる過程や、「ものづくり」が世の中に与える新しい衝撃に感動し、また、「ものづくり」の段階から使用後に廃棄される場合を想定することが、地球環境への配慮やリサイクルの可否にとても重要であるということに気付かされました。このことから「ものづくり」に興味を持ち、特に家電の設計開発業務に携わりたいと思うようになり、現職を希望しました。

「開発」という仕事の醍醐味

図1▲設計開発を手掛けたIHクッキングヒーター  現在は、IHクッキングヒーターの設計開発をしています。新しいものを生み出す設計の仕事には難題が山積しており、思う結果が出ないのが日常茶飯事です。それでも、自分が仲間と一所懸命に開発した「商品」が世の中に出た瞬間、お客様がその「商品」を使って「とても良いよ」と言ってくださる瞬間は、本当にやりがいを感じます。「人々の暮らしを豊かにする」という漠然としたイメージが「こういうことか」と実感できるのです。そこに、この「開発」という仕事の醍醐味があると思います。

他分野を勉強してきたからこその強み

図1▲職場の仲間と新商品開発について会議中  材料科学系の学問を勉強してきたので、最初のうちは設計という他分野での仕事に戸惑い、一から勉強して、周りの皆さんに迷惑をかけないようにと必死でした。それでも、大学時代に培った「自分で課題提起し、評価・考察を経て結論を導く過程」「結果がでなくてもあきらめない根性」「多岐に渡る大学時代の先輩・後輩・友人・先生とのつながり」などは、私の糧となっています。
 また、他分野を勉強してきたからこその強みもあります。機械工学系の中で、材料系出身の私の知識を存分に発揮できるチャンスがあるからです。わからないことも多く、周りには迷惑をかけましたが、逆に周りがわからないことを率先して発信できる強みもありました。

大学で得た一番の財産は友人?

 しかし、一番の強みは大学時代の友人です。いろいろな職種に就いた友人の話を聞くことが刺激となり、今でも私の成長に繋がっています。仕事で行き詰った時も、他分野にわたる友人、先輩、後輩からたくさんのヒントを得ています。北海道大学という、伸び伸びとしたキャンパスで学び、いろいろな価値観の友人が多数できたことは、私の財産です。  どんな分野を勉強、研究、経験するにしても、それが無駄になることはありません。また、一つの分野に偏らず視点をいくつか持つということは、大きな強みになると思います。北海道大学ではいろいろなチャンスがあると思いますので、是非チャレンジしてください。

◆学生コラムへ