特集2 ーこれがわたしの研究室ー

6人の大学院生に、それぞれの研究室を紹介してもらいました。

REPORTER 3

嶋岡 毅紘

工学院 量子理工学専攻
量子ビーム応用計測学研究室
博士後期課程2年

嶋岡 毅紘 Takehiro Shimaoka

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/水泳、ルービックキューブ

REPORT1 まずはそれぞれ研究テーマをご紹介
ダイヤモンド半導体検出器の開発。

 私の研究テーマはダイヤモンドを使用した放射線検出器の開発です。実はダイヤモンドはシリコンと同じ半導体です。放射線が入射するとそのエネルギーで電子正孔対を作り、信号として読み出すことで放射線の数やエネルギーを知ることができます。研究室ではダイヤモンドの合成から検出器化、評価まで一連の作業を行っています。研究室のスローガンである《「見えない」ものを見る・測る》ということに魅力を感じ、このテーマを選びました。

REPORT2 具体的にはこんな研究をする日々です
メタン、水素のガスからダイヤモンド合成。

 化学気相合成法で、ダイヤモンドの基板上に限りなく不純物の少ないダイヤモンドの膜を合成します。検出器の性能には、ダイヤモンドの品質が大きく影響するためです。原料にはメタンと水素のガスを使用しています。成長スピードはものすごく遅く、4日間でわずか100μmしか成長しません(人の髪の毛1、2本分の太さ)。その後、信号を読み出すための電極をつければ検出器の完成です。検出器が動いたときの喜びはひとしおです。

REPORT3 実用化の可能性など研究がめざすもの
高性能のダイヤモンドで、誰もできなかった計測を。

 高温、放射線に対して非常に強いというダイヤモンドの特長を生かし、メルトダウンした原子炉など、過酷な環境でも放射線測定ができる検出器の開発を目指しています。もう一つはレーザー核融合と呼ばれる技術で発生する中性子からプラズマの温度やレーザーのタイミングを測定する装置への応用を目指しています。これまでに誰もできなかった計測を行うため世界一の性能を持つダイヤモンドを作り、人の役に立つ成果を出すために日々研究に励んでいます。

REPORT4 研究室の外ではこんなワタシです
インターンシップを利用してドイツに3ヶ月間研修。

 昨年、IAESTE(国際学生技術研修協会)と呼ばれるインターンシップ制度を利用してドイツに3ヶ月間研修に行きました。各国から集まった学生と研修を受け、様々な価値観に触れることが出来ました。今でもその頃の仲間とFacebookや手紙のやり取りをしています。週末は旅行を楽しむなど、貴重な経験ができました。工学院ではCEED(工学系教育研究センター)と呼ばれる機関から助成を受けられるので、海外に行ってみたい方はぜひ利用すると良いと思います。


  • 行方 千賀REPORTER 1
    工学院 材料科学専攻
    環境材料学研究室
    修士課程2年
    行方 千賀
  • 嶋岡 毅紘REPORTER 3
    工学院 量子理工学専攻
    量子ビーム応用計測学研究室
    博士後期課程2年
    嶋岡 毅紘
  • 卜部 真実REPORTER 5
    工学院 建築都市空間デザイン専攻
    建築史意匠学研究室
    修士課程2年
    卜部 真実
  • 近久 晃一郎REPORTER 2
    工学院 人間機械システムデザイン専攻
    バイオメカニカルデザイン研究室
    修士課程2年
    近久 晃一郎
  • 大村 健祐REPORTER 4
    工学院 北方圏環境政策工学専攻
    構造システム研究室
    修士課程2年
    大村 健祐
  • 飛谷 康太REPORTER 6
    総合化学院 総合化学専攻
    バイオ分子工学研究室
    修士課程2年
    飛谷 康太