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学生コラム

■研究・活動紹介
「流れ」と「変形」の
境界線上にあるもの

エネルギー環境システム専攻
流れ制御研究室

博士後期課程2年
白鳥 貴久 Takahisa Shiratori

[PROFILE]
◎出身地/静岡県沼津市
◎趣味/音楽・鉄道
◎ひとこと/学部生時代にもっと本を読んでおくべきでした。

図1▲ケチャップでは字が書ける。  川を見て「水が変形している」と思う人はいないでしょう。また、事故で曲がったガードレールを見て「ガードレールが流れている」とも思わないでしょう。水は「流れ」るもの、ガードレールは「変形」するもの。「流れ」と「変形」は別の現象です。
 歯磨きペーストやケチャップをチューブから出す様子を思い浮かべましょう。ペーストは、歯ブラシ上で形を保ち、「流れ」てこぼれ落ちません。ではペーストは「変形」してチューブから出てきたのでしょうか。オムレツにケチャップで字を書くと、ある程度形が保たれますが、ドロドロと「流れ」ている気もします。「流れ」と「変形」の境界は、実はあいまいです。 図2▲ヨーグルト内部が変形していく様子。
 超音波により計測。

 工学部では、「流れ」を流体力学、「変形」を弾性力学や材料力学で別々に学びます。しかし、これらの学問で水の流れや金属の変形は説明できますが、ペーストやケチャップについてはまだ説明できないのです。私は、流体力学を出発点として、「流れ」と「変形」の間で起こる現象を研究しています。この学問領域はレオロジーと呼ばれ、食品加工や高分子加工の効率向上に役立てられます。
 私たちの研究室では、風車の効率化や船舶の燃費向上など、「流れ」に関わる様々なテーマを扱っています。詳しくは研究室ホームページ(http://ring-me.eng.hokudai.ac.jp/j_index.html)をご覧ください。

■インターンシップ報告
経験の宝庫
─海外インターンシップ─

総合化学専攻
界面電子化学研究室

修士課程2年
大庭 博司 Hiroshi Oba

[PROFILE]
◎出身地/滋賀県大津市
◎趣味/バスケットボール
◎ひとこと/海外インターンシップは非常にいい経験になります。迷っていたら是非行くべきです。

図1▲インターンシップ先の寮にて、寮のみんなと。 2012年7月~8月の2ヵ月間、ポーランドのグリビッチェにあるInstitute Spawalnictwaという企業にインターンシップへ行ってきました。研修は様々な溶接法や溶接材料の評価法について学ぶという内容でした。私の大学での研究内容は燃料電池の作製であり、研修は私の専門とは全く異なる内容でしたが、溶接のなかにも自身の研究との共通点を見出すことができたことや、専門にとらわれず自身の知見の幅を広げることができたことは非常に良い経験となりました。
 研修以外の時間は、主に寮の人達と行動を共にしていました。寮には様々な国からインターンシップに来た学生が住んでいて、実に数多くの国籍を持つ学生と交流することができ、各々の国の文化や伝統についての話題はもちろん、歴史問題や政治背景、研究内容など深く突っ込んだ話ができたのも貴重な経験となりました。
 以前から海外への興味はあったのですが、このインターンシップで海外に対する好奇心はより一層強くなりました。今では北大に来ている留学生を支援するSCII(北大国際インターンシップ学生委員会)に所属し、海外の方々との交流を積極的に行っています。将来的には、このインターンシップで得た経験を活かして、世界を舞台に活躍していけたらと思っています。

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