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学生コラム

■研究・活動紹介
津波による破壊と数値シミュレーション

環境フィールド工学専攻
沿岸海洋工学研究室

修士課程2年
佐藤 駿一 Shunichi Sato

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/読書・ドライブ・社交ダンス
◎ひとこと/何事も楽しんだもの勝ち!

図1▲宮城県名取市北釜海岸
越流した津波により破壊された堤防
 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、皆さんの記憶にも新しい出来事でしょう。被害を甚大にさせたのは、地震によって引き起こされた津波です。高さ10m以上の巨大な津波が、海岸から何kmも離れた地域まで到達しました。防波堤が激しい津波によって破壊されてしまい、次々に押し寄せる波を防ぐことができなかったことが、被害を拡大させた要因のひとつと考えられています。
 水が堤防を越えることを「越流」と言います。津波が越流すると、その背後では地面を削り取る掘削作用が生じます。しかしこの際、越流によって多数の複雑な渦も同時に発生するため、実験的に調査することが困難となります。 図2▲越流シミュレーションによる水面の変化そこで数値シミュレーションにより、越流を強制的に発生させるモデルを作り、そこから得られるデータをもとに、越流が作用する力などを解析していきます。シミュレーションのメリットとしては、様々な条件での計算が可能であること、通常では観測しにくい渦の構造も表現できることなどが挙げられます。
 このような研究から、越流してしまった際に防波堤が破壊されないよう、強度を見積もることができます。次世代の津波対策として、防波堤の「高さ」に加えて「強さ」の改良が可能となるのです。

■インターンシップ報告
能力に限界など無い。
世界への挑戦の第一歩。

量子理工学専攻
量子ビームシステム工学研究室

博士後期課程2年
佐藤 亮嗣 Akitsugu Sato

[PROFILE]
◎出身地/北海道札幌市
◎趣味/国内外旅行
◎ひとこと/チャンスは自ら作り、自ら利用するもの。どんどんチャレンジしよう!!

図1▲部屋で研究を共にした修士学生 2012年8月〜9月の2ヵ月間、オランダにあるTWENTE大学でインターンシップに参加しました。もともと海外留学に興味を持っていたのですが、自分の能力に自信がなく、行動に移すことができませんでした。そんな時に、海外インターンシップを仲介しているIAESTEという団体を見つけたのです。サポート体制がしっかりしていて、夏休みも有効に使えるので、チャレンジしてみようと決断しました。
 このインターンシップでは、自分の研究内容とは異なる「バイオオイル」に関する研究の実験を行いました。そのために、期間中はとにかく積極的にコミュニケーションを取り、内容を理解することに努めました。はたして自分が役に立てているのか心配な日々が続きましたが、最終日に「期待以上に活躍してくれて、本当に満足しているよ」という言葉をもらった時には、自分も世界の舞台で活躍できるんだという大きな自信が生まれました。また、毎週末にはヨーロッパ諸国を巡って多様な文化に触れるなど、非常に有意義な2ヵ月を過ごすことができました。
 この経験で学んだことを生かし、これからは自分の能力を決めつけることなく、常に世界を見据えて挑戦し、1人の研究者として大きく成長していきたいと思います。

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