
学生コラム
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研究・活動紹介イブプロフェンを不斉合成する有機プロセス工学専攻 [PROFILE] |
▲(S)-イブプロフェン
有機合成化学において、炭素—炭素結合の効率良い構築は最も重要な課題の一つです。その中でも、分子内に不斉炭素を持つキラルな分子を立体選択的に得る手法である「不斉合成」は、近年、医薬品業界をはじめとして著しく需要が高まっています。
当研究室では、パラジウムやロジウムといった遷移金属錯体を触媒として用いた、今までにない新しい触媒反応を開発し、高効率・高立体選択的に様々なキラル分子を合成する研究に取り組んでいます。
▲各種合成装置と精製器具 私は現在、パラジウムを用いて簡便で新しい触媒反応を開発し、効率・立体選択的に、イブプロフェンに代表される抗炎症薬類を不斉合成する研究に取り組んでいます。短段階かつ立体選択的な反応開発により、生産エネルギー、環境負荷やコストの低減に繋がることが期待されます。
反応効率や選択性を向上させることは容易ではなく、すぐに期待した結果が得られるとは限りません。この研究が将来、不斉合成手段の礎と成り得ることを期待して、日々研究を行なっております。
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インターンシップ報告海外インターンシップの意義について環境フィールド工学専攻
[PROFILE] |
▲参加していた講義で訪れた観測井戸です。
約2ヵ月間、アメリカ・オハイオ州立大学にて、「水と伝染病に関する研究」に取り組みました。現在、地下水に関する研究を行っており、「水」という共通のキーワードがあったことがこのテーマを選んだ理由です。伝染病としては、昨年問題になったインフルエンザや、三大感染症と呼ばれる結核・AIDS・マラリアなどが挙げられます。その中でも、水が重要な役割を持つ伝染病に注目し、伝達経路や治療・予防方法を研究しました。
以前から、海外のフィールドを経験し、英語や外国の人々とのコミュニケーション能力を磨きたいという思いがありました。また英語が堪能でなかったので、海外でのプログラムをやり遂げることは自分を鍛錬する絶好の機会であると考え、海外インターンシップへの参加を決意しました。
アメリカでの研究は、大学の講義に参加する、論文を読む、先生のアドバイスを聞くなどしながら進めました。確かに英語も上達しましたが、コミュニケーションに重要なのは、恐れずに熱意や誠意を持って自分を表現し、相手のことを理解できるかだということを実感しました。さらに、困難な目標を達成できたという自信は貴重な財産になったと感じます。今回の経験をこれからのステップアップに活かしたいです。