学生コラム
研究・活動紹介より快適な鉄道車両を設計するために人間機械システムデザイン専攻 [PROFILE] |
しかし、車体のどの部分の構造を変更すると、不快な振動を減らすことができるのかについての知見が、まだ十分とは言えません。詳細な有限要素法モデルにより計算を行い、振動状態を模擬することが可能ですが、数多くある設計変数を変化させてその有効性を確認する目的には、計算コストの点から不向きな方法であり、検証の障害となっています。
そこで私は、鉄道車体の弾性振動を簡易的な解析モデルで表現することに取り組んでいます。作成している解析モデルは車体の主要構造に着目したモデルであり、車体のどの部分の構造が振動特性に及ぼす影響が大きいかを調べるには大変便利です。図は解析モデルから得られた固有振動モード(振動時の変形状態)を表しています。ここでは変形の様子がわかりやすいように車体を中央で切断して表現しています。床の振幅に比べて屋根の振幅が大きくなる振動モードの例で、実際の鉄道車体でも類似の振動モードが観測されています。この解析モデルを活用して、実際にどんな構造が不快な振動の低減に効果的であるかについても探っています。
インターンシップ報告世界というフィールドに挑んだ7週間物質化学専攻
[PROFILE] |
私は、エンジニアとして国際的な視野を身につけ、海外独自の技術や研究環境を学びたく、昨年の夏、IAESTE※研修生として7週間ほど、チェコ共和国のプラハにあるInstitute of Chemical Technologyで海外インターンシップを行いました。研修では、電気化学の研究グループに加わり、熱酸化処理した鉄試料に形成する酸化皮膜の解析・評価や、インヒビター(腐食抑制物質)の試験評価を行いました。
研修を通して、英語という共通語を使い、説明をしたり、また受けたり、ディスカッションをできたことは貴重な体験となりました。英語力の足りなさ故に、微妙なュアンスが伝えられず、苦労したり、もどかしさを感じたりすることもありましたが、実験スキルや専門用語でカバーすることができたと思います。同時に将来、世界という舞台で活躍するためには、語学力の向上や、確固たる識やスキルを身につける必要があると強く感じました。
また、プラハではヨーロッパを中心に多くのIAESTE研修生が大学や企業で研修を行っていたため、仕事後や休日は研修生同士、一緒に過ごしました。彼らと共に食事をし、酒を飲み、歌い、踊り、笑い、旅したことは忘れられない思い出となりました。この体験から、帰国後、北大国際インターンシップ学生委員会に加わり、外国人学生と日本人学生との交流行事の企画・運営を行っています。