特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.434 2024年04月号

工学を学ぼう

特集 03

日本って資源不足なの? Is Japan resource poor?

「このジグ選別機は比重が異なる成分を分けることが出来る装置です。実際に鉱山現場でも使われており、現在プラスチックの種類ごとに選別できるか実験しています」

地球規模で役立つ研究を!SDGsの資源リサイクル

環境循環システム専攻 資源再生工学研究室 修士課程2年
依田 雅司

[PROFILE]

出身高校
江戸川学園取手高等学校
研究分野
資源リサイクリング
研究テーマ
プラスチック選別のための自律的なジグ選別機の開発

身の回りの資源に注目

私たちの身の回りには様々な資源があふれています。建築材料の鉄やセメント、スマホや携帯に使われる銅やレアメタル…。ところが日本はそのほとんどを輸入に頼っており、電化製品に欠かせない銅でさえ輸入に頼りきっています。それを解決するのが、都市鉱山を拠点とする資源のリサイクル。都市で派生する使用済み製品には多くの資源が含まれており、それを回収できれば全て輸入に依存しなくても、鉱山から金属が取れなくなっても資源を確保できるようになります。これぞSDGsな研究です!

CO2を地中に埋める技術

皆さんが身近に感じる環境問題といえば、CO2等の温室効果ガスではないでしょうか。大気中のCO2を減らすために、地中にCO2を埋めるCCUS(Carbon Capture, Usage and Storage)という技術があります。これは資源採掘に利用される技術が元になっており、資源問題は他にも水質問題やエネルギー問題といった様々な環境問題と密接に関わっています。自分の研究が地球規模で役に立つかもしれないというスケール感に興味が湧いてきませんか?

図1 ジグ選別機です。右側に見える透明な水槽内で選別を行います。 Figure 1 : This is JIG separation machine. The separation is treated in the water tank at the right side.