特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.434 2024年04月号

工学を学ぼう

特集 04

あらゆる分野に活かせる知識 Knowledge that can be applied to every field

球面収差補正走査透過型電子顕微鏡(日本電子NEOARM)を使える大学は国内でも数えるほど。北大にも2023年に導入され、さらなる研究の発展が期待できます!」

最先端の研究環境で学び次は企業の研究最前線へ

材料科学専攻 マルチスケール機能集積研究室 2024年3月修士課程 修了 富士電機株式会社
坂牧 知紘

[PROFILE]

出身高校
北海道札幌南高等学校
研究分野
材料解析・評価、高分解能電子顕微鏡
研究テーマ
担体上のPt単原子拡散挙動のHAADF-STEM観察と電子線照射効果

材料の知識を幅広く応用

材料科学専攻は金属を中心とした無機系材料に関する研究を行っています。そのアプローチは様々で、結晶構造や組織といった材料科学の知識だけでなく、化学や物理など多岐にわたっています。そのため、自分が興味のある話題や得意な分野など幅広い視点から材料に関わることができます。一見専門性が高いように思われる材料の知識は、実はどの分野においても応用が可能です。私は現在、電子顕微鏡を用いた材料解析手法について研究していますが、この研究や本専攻で学んだ知識は今後も様々な分野で活用できると確信しています。

世界最先端の技術に触れる

私が研究で使用する電子顕微鏡は、光学顕微鏡よりもかなり小さなスケールまで観察することができる球面収差補正走査透過型電子顕微鏡です。なんと原子の1つ1つを確認できるだけでなく、元素分析や電子状態の測定も行うことができます。北大にはこのような世界最先端の研究機器が揃っており、非常に充実した研究環境で学生時代を過ごすことができました。

図1 アモルファスカーボン基板に分散したPt原子の電子顕微鏡画像(画像中の白い輝点がPt原子を表す) Figure 1 : STEM image of Pt atoms dispersed on an amorphous carbon substrate (white bright spots in the image represent Pt atoms)