特集 01
都市環境の基盤を支える研究 Supporting the foundations of urban environments
実験条件に合わせて自作した溶出試験装置の前で。「研究を進めるため、様々な技術を駆使して日々試行錯誤しています」
豊かな生活と表裏一体の廃棄物処分を考える
環境創生工学専攻 廃棄物処分工学研究室 博士後期課程1年
安河内 隆仁
「廃棄物処分」という研究分野
都市において当たり前のように享受される豊かな生活の裏では、大量の廃棄物が発生しています。生ごみや紙類、プラスチック、電気製品など様々な物質を含む廃棄物が適切に処理されなければ、都市環境に著しい悪影響をもたらします。通常、廃棄物というものは人目を引くものではなく、むしろ忌避されるようなものですが、その適切な処理は都市環境の維持のために必要不可欠なものなのです。
マクロ・ミクロ視点の両立
現在は福島第一原発事故の除染作業により発生した、放射能を持つ廃棄物の処理について研究を進めています。環境中における有害元素の長期的な移動を評価するため、マクロな視点・ミクロな視点の両方を駆使する必要があります。マクロとミクロ双方の知見が論理的に可逆的であるような結論を出すことを目指し、使えるリソースを最大限に活用しています。