特集 09
工学はおもしろい Engineering as a career path
「応用科学研究棟には試料を2~3Kもの極低温に冷却する装置があります。冷却したサンプルにレーザを照射して光を吸収・放出させ、物性を測定します」
在学中の起業で実感大学だから学べること
応用物理学専攻 極限量子光学研究室 修士課程2年
松浦 求磨
応用物理学専攻の魅力
高校でも「量子は粒子と波の両方の性質を持つ」ということは習うと思います。応用物理学科ではそこからさらに踏み込んで、電子や原子、光子が量子的にどうふるまうのか、レーザーはどういう原理で動作するのか、半導体はどのように作るのかといった根本的なことを実験や講義を通して学びます。光通信の基礎技術が書かれた論文も、時間をかければ理解できるような知識が身につく。それが本専攻の魅力です。
物質レベルで考える大学院
私は大学在学中にシステム設計等を事業内容とする会社を起業しました。その経験から社会で利益を得るために必要な技術と大学の研究内容とでは大きな違いがあると実感しています。例えば、会社の業務ならばデバイス同士を光ファイバーで連結して簡単なコマンドを入力すれば仕事が終わることも、大学院ではそのようなデバイスを物質レベルでどのように作るかということから考えます。こうしたより高度な内容に、専門的な知識を有した先生や先輩方から指導を受けながら全力で取り組めるのも、大学院ならではの時間だと感じています。