特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.434 2024年04月号

工学を学ぼう

特集 07

研究活動で得るもの What you gain through research activities

瞬間強力パルス状放射線発生装置研究室(北大LINAC)のような中性子実験施設を所有する大学は極めて少なく、ここで実験できることは大変貴重な経験になります」

食品から航空宇宙まで中性子の可能性は無限大!

量子理工学専攻 中性子ビーム応用理工学研究室 修士課程2年
室橋 直人

[PROFILE]

出身高校
埼玉県立所沢北高等学校
研究分野
中性子理工学
研究テーマ
中性子ビームを利用した物質硬度の非破壊イメージング法の開発

日本刀の硬度も測定可能に

中性子ビームは放射線の1つで、中性子の特性を生かして物質、材料、航空宇宙、考古学、食品やその他多くの分野の研究に利用されています。ここまで多くの分野に活用できる工学技術は他にはなく、中性子工学の研究対象の幅広さに大変魅力を感じています。その中で私は、中性子ビームを利用した鉄鋼材料の硬度測定法開発を行っています。この測定法が実現すれば、日本刀のような貴重な文化遺産の硬度を非破壊で画像化するといったユニークな研究もできるようになります。

人としても大きく成長

研究を進めていくと、北大以外の研究者に相談したり、学会等で他大学の方とお話したりと、国内外のたくさんの方にお会いします。多種多様なバックグラウンドを持つ方達と交流することで、人としても多くの学びが得られます。大学の研究室は研究に打ち込むだけでなく、今後社会で活躍するための普遍的な能力も身につけられる場所でもあると私は考えています。

図1 北大LINACでの実験準備 Figure 1 : Preparation for experiment at Hokkaido Univ. LINAC