特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.431 2023年04月号

工学を学ぼう

特集 08

学べ、土木。 Learn Civil Engineering

ようこそ ! 型枠から解放された3Dプリンタで施工する時代へ

環境フィールド工学専攻 環境機能マテリアル工学研究室
修士課程2年
中瀬 皓太

[PROFILE]

出身高校
大阪府立生野高等学校
研究分野
コンクリート工学
研究テーマ
過建設用3Dプリンタで製造したコンクリートの破壊性状の評価

暮らしを支える土木工学

土木工学は英語でCivil Engineeringと呼ばれることからわかる通り、市民のための工学です。構造・材料系、土質系、水工系および交通系の各分野に分類され、どの分野も我々の生活を支える社会基盤の形成に欠かせない学問です。社会基盤学コース・国土政策学コースでは、世界的視野で、安全で快適な市民のための社会基盤の形成に関する、深く幅広い専門的知識を学ぶことができます。

コンクリートを“印刷”する !?

私は、3Dプリンティング技術によるコンクリート構造物の構築に関する研究を行っています。従来のコンクリート施工方法は、決まった形の型枠にコンクリートを流し込み、締固め、硬化させます。一方、3Dプリンティング技術による施工では、三次元空間内に直接材料を吐出することで施工を行います。形状の制約が無くなりデザインの自由度が向上し、最適な構造による使用材料の効率化や生産性の向上など様々なメリットがあるため、施工事例は年々増加しています。我々の生活を支える、丈夫で美しく長持ちする構造物を“印刷”する時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。

図1 研究チームで作製した3Dプリンタ装置 Figure 1 : 3D printer made by research team