特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.425 2021年04月号

工学を学ぼう

特集 07

実験から学べること What you can learn from experiments

計画から考察まで実験を通して“諦めない自分”になる

環境フィールド工学専攻 地盤環境解析学研究室
修士課程2年
本田 康貴

[PROFILE]

出身高校
大谷中学高等学校
研究分野
地盤工学
研究テーマ
浸透力相似模型実験によるスパイラル杭の支持力特性の検証

初めて知った土木工学の役割

幼い頃から憧れていた鉄道関係の仕事というと列車運行に関わる仕事や車両を作る仕事を想像していましたが、調べていくうちに人々が日々当たり前に利用している鉄道の建設やメンテナンスは土木の学問が生かされていると知り、大学でより深く学びたいと思いました。

一つのミスが大きく左右

不安定な地盤に構造物を建てると建物が沈下してしまいますが、地下の固い地盤に杭を到達させると構造物を支えることができます。私はこの杭の形をスパイラル状のものに変えるとどのような利点があるのかを調べるため、実験室で模型地盤を作製し載荷実験を行っています。「実験を行う」と一言で言っても、実験の計画に始まり、準備、実施、数値解析、考察まで全ての工程を行います。時には一つのミスで全てが台無しになることもありますが、予想通りの結果が出た時の喜びは格別ですし、将来、困難な仕事でも諦めずに成し遂げられる自分になるためのいい練習期間になっています。

図1 実験で用いる杭貫入・引抜装置と模型地盤 Figure 1 : Pile penetration / extraction device and model ground used in the experiment
図2 実験で用いるスパイラル杭 Figure 2 : Spiral pile used in the experiment