特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.425 2021年04月号

工学を学ぼう

特集 02

今の私に何ができるか What can I do, now?

患者の重症度を速やかに測定
よりよい未来の実現に向けて

大学院総合化学院 総合化学専攻 生物計測化学研究室
修士課程2年
九鬼 静香

[PROFILE]

出身高校
横浜雙葉高等学校
研究分野
分析化学
研究テーマ
重症度診断のためのATPおよび乳酸の迅速測定システムの開発

学部説明会の一言で決意

「化学の知識と技術を応用してよりよい未来を実現しよう」。学部説明会で聞いたこの言葉に惹かれ、工学部への進級を決めました。もともと化学に興味があり応用化学コースを選択しましたが、さまざまな化学を学ぶたび、その応用分野の幅広さに驚き、自分はどのような化学を通してよりよい社会の実現に貢献できるのだろうと夢を膨らませました。

成功だけが研究ではない

現在、私が取り組んでいる研究は、医療現場で患者の重症度を簡単かつ速やかに測定できるシステムの開発です。血液中のアデノシン三リン酸と乳酸から酵素反応によって生成した過酸化水素を電気化学的に測定することで重症度の変化を診断します。

実験は毎回予想通りの結果が得られるとは限りません。改善を重ねても上手くいかない、そんなことも多々あります。しかし、そういう時こそ、新たな発見が生まれると考えて日々研究を続けています。

図1 ATPと乳酸を電気化学測定する測定システム Figure 1 : Design of measurement system for electrochemical measurement of ATP and lactic acid
図2 研究室のメンバー Figure 2 : Lab members