特集・研究紹介

工学研究院・工学院の
先駆的な技術を発信します。

No.425 2021年04月号

工学を学ぼう

この広報誌『えんじにあRing』の発行母体は工学研究院、すなわち「工学」の研究者たちの集まりです。
皆さんは工学についてどのような印象を持っていますか?

北海道大学を含む8大学工学部長会議のもとに設置された「工学における教育プログラムに関する検討委員会」(平成10年)では、「工学とは数学と自然科学を基礎とし、ときには人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問である」と定義しています。

この定義からもわかるように、工学は人と社会の存在を前提にした学問分野です。私たちの身の回りにあるモノや仕組み~携行品からインフラに至るまで〜ほぼすべてが工学研究の成果によるもの、と言っても過言ではないでしょう。そしてこれらの多くが1945年の戦後以降つくり出されてきたものです。

工学の急速な発展は、私たちの生活を物質的に豊かにする一方で、公害や環境汚染など多くの問題を生み出してきたこともまた事実です。こうした問題の解決はもちろん、現在グローバルに推し進められているSDGsなどのさまざまな取り組みを含め、物心ともに豊かな社会の実現に工学は大きな役割を果たしています。

今号では、工学の立場から将来の社会を担っていく、専門分野の異なる現役学生※たちに「工学を学ぼう」と題して寄稿してもらいました。皆さんの先輩にあたる彼・彼女たちの取り組みと工学に対する熱い想いを誌面から感じ取っていただけたら、と願っています。

執筆時点

コーディネーター 谷 博文(工学研究院 応用化学部門 准教授)